愛のコリーダ

愛のコリーダ」、藤竜也松田英子ほか出演、大島渚監督、フランス、日本、1976


大島渚が亡くなったので、テレビで大島作品をまとめてやっていたので、見てしまった。これは数年前映画館で見ているが、強烈な映画なので、まったく新鮮に見られる。109分となっているから、2000年に出た「完全版」ではないほうの版。ぼかしなし、ノーカットの版もAmazon.comで注文すれば手に入るようだ。

松田英子はほかに出演作を知らないのだが、よくこの女優を見つけてきたものだ。この表情のキツさと子供の純粋さは普通の映画に出ている女優からは得られない。藤竜也は、とにかく度量が大きいキャラ。吉が死ぬ直前に、定が吉に馬乗りになって、挿入されながら上から首を締める場面が出てくる。ここではまだ吉は死なないのだが、「締めるならな、途中でやめんなよ。後が苦しいから」と言って微笑するところは、自覚して棺桶に片足を突っ込んでいるすごみがある。

老芸者の菊竜とのセックス、女中から変態呼ばわりされてまだつながっているところなど、どこもかしこも強烈だが、最後の死んだ吉の男根を包丁で切り落とすところは、見ているだけで死にそうだ。切られてしまった男根は作り物なので、そのまま映っているのだが、包丁が男根に入ってじわっと出血する場面はぼかしが入っている。ここが一番ざんねん。

けっきょく無修正版を手に入れて見ないとしかたがないのだが、ぼかし入りの版でももうおなかいっぱいだ。あと数年は見なくてもいいわ。インパクトの強すぎる映画は続けて見るのは無理。