動物の狩り方

「動物の狩り方」、能年玲奈、村田雄浩ほか出演、森英人監督、VIPO、2011


30分くらいの短編映画。これが能年玲奈の初主演作ということだ。短編映画らしい切り取り方で、非常にいい。

昔、父親に殺されかかり、今でも父親の幻影を見る能年玲奈が、山で獣や魚をとって一人暮らしをしている村田雄浩と出会って変わっていくという話。能年玲奈は、まっすぐな表情と少女らしいキツさが同居していて、いい感じ。村田雄浩は、さらによく、圧倒的な存在感。ちょうどよく老けていて、それでいてなまくらではない。

終わりは能年玲奈の友達が、村田雄浩を警察に通報したおかげで、小屋は壊され、村田雄浩は連れて行かれてしまう。後に残るのは山暮らしのノートと、獣をとる罠。能年玲奈は、自分が罠にかかったウサギをさばくのでした。さすがに能年玲奈がウサギに直にナイフを入れるところは映っていなくて、血まみれの手だけが出てくる。どうせなら、この場面をワンカットで見たかったが…。さすがにそれはむりか。

しかし、能年玲奈が自ら猟師と同じく生き物の命をとることで自分の体験を乗り越えるところは、お話としてちゃんと立っている。ロケ地になっている飯能の山の中のひっそりと静かな風景も印象深い。