鋼鉄ジーグ 44話

鋼鉄ジーグ」44話、「鋼鉄ジーグ対竜魔帝王」


何の脈絡もなく、いきなり見てしまったこのアニメ。「マジンガー」「ゲッター」の後に来た永井豪・安田達矢とダイナミック企画のロボットもの。1975年放送ということだが、この頃のアニメはほとんど見ていないのでまるっきり初見だ。

ロボットの絵がやたら汚いが、この時期はこれが普通だったのか?経年劣化とかではなく、作画の段階で汚れている。いまのキレイな絵のアニメーションに慣れているとびっくり。

ジーグを操る主人公の「宙」が、死んだ父親(これが宙を改造した科学者)の亡霊らしきものとか、母親とか妹とかといろいろ葛藤しながら、敵の「竜魔帝王」と最後の決戦に臨むというおはなし。宙の声は古谷徹だ。なんでもやってるのか。75年だからもうすっかり大人のはずだが、声がまるで今と同じなので感慨深い。妹の声は高橋和枝、援護の戦闘機のパイロットの声は吉田理保子があてている。

竜魔帝王は、最初に部下に「最強のロボットを出せ」と命令しておいて、出てきた「ハニワ四天王」をいきなり剣で破壊。貴重な味方のロボットをつぶしてどうするの?「出陣前の血祭りだ!」と盛り上がっているが、やっていることはむちゃくちゃ。

竜魔帝王は、その後出してきた「ドラゴ」といっしょに、自ら出撃。けっこういいところまで行くのだが、鋼鉄ジーグに自分の剣を後ろから投げられてしまい、瀕死の重傷。ていうか、後ろから剣が思い切り突き刺さってしまっていて、あれは普通に死んでいるだろう。ぎりぎりで部下に助けられて、自分の船「竜魔船」に撤退。この「竜魔船」のデザイン、ペニスの先に顔がついたようなもので、テレビで放送するにはちょっとやばい感じ。

劇中、宙や家族はやたら死のイメージを口にしているのだが、最終回に近いとはいえ、子供向けアニメでこういうのがふつうにアリだったのか。話の終わりでは、父の幻影が「死んで生きろ」=死中に活を求めろといっていたという説明が出てきて、ほんとに死ぬわけではないことがわかるのだが。

ロボットの顔や造形は、永井豪の他の作品と共通点多い。次が最終回らしいが、話はけっこうおもしろかった。音楽は渡辺宙明で、テンポのいい名曲。歌は水木一郎だ。これはカラオケで歌うのによさげ。