乳房

「乳房」、小林薫、及川麻衣、竹中直人ほか出演、根岸吉太郎監督、西友東映東北新社、1993


小林薫は遊び人の演出家だが、照明係の及川麻衣に言い寄られ、最初は適当にあしらっているが結局一発やって、つきあうことになる。最初から及川麻衣はベタベタなのだが、病気で入院してしまい、小林薫はつきっきりで看病することになって情も移ってくる。

しかし、及川麻衣と付き合っている間も、小林薫は友人の竹中直人の妻=戸川純からキスされたりして、めちゃモテである。及川麻衣は、それを見ているのに、「いろいろあって女と男ってことだよね」とあっさりしている。どこまで都合のいい女なのか。

おまけに小林薫は、及川麻衣の入院中にデリバリーのおねえさんを呼んで、ホテルで一発やろうとするが、立たないのであきらめる。これ、できなかったことが良心のあらわれみたいな描き方なのだが、それってどうなの。

おまけにラスト、及川麻衣はてっきり死ぬのかと思いきや、「二人きりだね」とか言って抱き合っておわり。これ、モテモテ男の自慢話ですか?

及川麻衣は非常にきれいな女優で、身体も美しい。それだけだが。というか、原作伊集院静ということは、モデルは夏目雅子でしょ。原作読んでいないので、どうのこうのは言えないが、こんな男にとって調子のいいことづくめの映画つくっていいのか。バックの風景なんかも、バブルの残り香がプンプンする。昔はこんなものでもウケていたのか…。