八重の桜 11話

「八重の桜」11話、「守護職を討て!」


覚馬と八重の弟、三郎が京都に上る会津の増援隊に入れろと、父親の権八に直談判するがはっきり拒否される。

京都では、佐久間象山が浪士に斬られる。斬られまくって血が噴き出しているのに、大声で「ばか者!」と叫んでいる。こんなに元気でいいのかと思うが、結局ズタズタに。覚馬は悔しがるが、どうしようもない。その上、象山暗殺後、象山の家は取り潰される。松代藩尊攘派の浪士と敵対したくないのだ。会津は孤立しかかっていた。

覚馬らは、天王山の長州藩宿営所に町人をよそおって敵情を探りに行く。神社で長州兵が「敵は奸賊、松平容保」「あと10日で決戦する」と言っているのを聞いているところを捕まってしまい、危うく斬られそうになるが平馬の機転で助かる。敵情を報告したところ藩の重役は一橋慶喜を動かして先手を取ろうとするが、一橋は言を左右にして動かない。藩内が暴動になりかかったところで、やっと一橋が参内して長州討伐の勅旨を受ける。やっと戦争というところでおわり。


今回は、三郎の志願が、尚之助の新式銃を藩に採用させるためという事情を混ぜていて、尚之助が山本家で置かれていた立場をはっきりさせていて、いい話になっていた。三郎はまだ若いなりに、権八は父親なりに、鉄砲の家の者として新式銃の採用を後押ししようとしている。それに三郎がまだ16だからと、家老の中村獅童が志願を止めるところは、後の白虎隊エピソードの伏線になっている。八重の出番が少ないけど、その分、会津に残った人々の考えは他の登場人物にきちんと語らせている。

禁門の変直前の長州側の様子もていねいに描いていて、これまでの幕末の大河ドラマの中でもよく作られていると思う。話が進展するまで視聴者の興味が続いてくれるといいけど…。