家族八景(2012TV版) 4話

家族八景」(2012TV版)4話、「青春賛歌」


この話は、中年なのにちゃんと大人になれない妻と、その破滅の話。夫役は堀部圭亮、妻役は小沢真珠。原作からは、40代なかばくらいの夫婦を想定していたが、小沢真珠はちょっと若いのではないか。実際は小沢真珠もそんなに若くはないのだが、原作のようにムリに若さを取り戻そうとしているという感じがしないのだ。小沢真珠は、この状態がデフォルトなので。

原作より、だいぶコメディーに振った脚本と演出。この回の脚本を書いているのは、劇作家の江本純子。このコメディーよりの方向性はアリだと思う。しかし若さをムリに求めているからといって、セーラー服を小沢真珠に着せるのはやりすぎ。というか、妻が求めている若さというのは、セーラー服を着るような若さとは違うでしょ。

それに妻がスポーツカーを乗り回すことが、若さの象徴になっているのだが、予算がないのかどうなのか、肝心の運転の場面がフェアレディ2000に小沢真珠を座らせて、背景を動かすだけってどうなの。妻が運転中に事故死する場面はクライマックスのはずだが、死の瞬間の妻の思念を七瀬が感じ取るところも、描写に工夫がない。お金がないと、この話を映像化するのは無理なのかなあ。