007は二度死ぬ

007は二度死ぬ」、ショーン・コネリー丹波哲郎若林映子浜美枝ほか出演、ルイス・ギルバート監督、イギリス、1966


007シリーズはほとんど見ていなかったので、これも初見。だが、いま見てもおもしろい。

最初にアメリカの有人衛星がスペクターの巨大衛星に食べられてしまい、その後も米ソの衛星がスペクターのえじきになるのだが、なんで衛星を捕獲するのか?機密をとるとか、再利用するとか、何か目的があるのかと思ったが、そうでもないらしい。単に米ソの衛星を消してしまって、お互いに戦争させたいだけ。だったら、最初から破壊すればいいだけなのでは?

そして、タイトルどおり、ボンドは最初に機関銃で撃たれて蜂の巣にされ、軍艦から沈められて水葬にされてしまうのだが、潜水艦でちゃんと回収される。潜水艦のハッチは潜水中に開けてもいいの?それに潜水艦になぜか女性の乗員がいるし。

日本上陸早々、ボンドはいきなり国技館で相撲観戦。そこで待っているのが諜報部員のアキこと若林映子。やっぱりかわいいわ。

その後ボンドは、死んだふりをして、日本の怪しい大企業、オオサト化学に潜入。このオオサト化学のマーク、大きな漢字で「大里」と書いてあるけど、これもなんか変だ。だいたいオオサト化学の本社ビルはどうみてもホテルだし。そしてボンドと大立ち回りをやるオオサト化学のエージェント、あんまり太っていない高見山みたいな感じだが、欧米人にはこいつが日本人に見えるのか?

ボンドは、オオサト化学の金庫から秘密書類を盗み出して、日本諜報機関のボス、丹波哲郎のもとへ。それにしても「タイガー田中」って、なんだかねぇ。そしてタイガー田中の専用車両は丸ノ内線の電車。車内は特別仕様で、着物のおねえさんが酒を出している。東京メトロはこの電車を実際に走らせるべき。

この専用鉄道で到着したのがタイガーの邸宅。もちろん、下着姿のおねえさんたちが、タイガーとボンドを接待。このおねえさんたちも、若林映子くらいしか日本人に見えない(若林映子もある意味日本人離れしてるけど)。日本諜報機関すごいよ。しかし障子のついた部屋にお風呂って…。

再びオオサト化学に乗り込んだボンドは、社長に殺されそうになってさっさと逃げた。社長秘書はパツキンのおねえさん。これもスペクターらしい。ボンドを追い回すオオサト化学の殺し屋は、ヘリコプターで吊り上げられてそのまま海にドボン。これはかっこいい。

タイガー田中の指令で神戸に車で急行するボンド。オオサト化学って東京にあったのでは?神戸でボンドは捕まってしまい、パツキン秘書に飛行機に乗せられて、そのまま落とされた。もちろんボンドは危ないところで飛行機のコントロールをとって命拾い。

組み立て式オートジャイロの「リトルネリー」での、スペクターとの空中戦は楽しい。スペクター首領の本部には処刑用のピラニア池が。そういえばショッカーの秘密基地にも処刑用の池があったなあ。そして、タイガーの部下の特殊部隊はもちろんニンジャだ!訓練基地は姫路城!そしてニンジャと言いながら、どうみてもこれ、空手の人でしょ。居合い切りもやってるし、練習はもちろん真剣でやってる。ガンガン人が死んでるんですが。笑いが止まらない。

ボンドは、日本人の海女さんと結婚させられ、訓練でニンジャにされることに…。その前にあっさりアキは敵の刺客に殺されちゃった。で、ボンドと結婚させられる二番目の諜報部員が浜美枝。こっちのほうは日本人っぽい美人。浜美枝以外はわざと不細工ばかりにしてあって、ここも笑うところ。

ボンドは浜美枝と、スペクターの火山火口の秘密基地に潜入。あれ、海から上がっていったはずなのに、いつのまにか山の上?でもこの秘密基地はとてもステキ。サンダーバード秘密基地もこれには負けると思う。スペクターの衛星ロケットが発射されてしまった後でボンドが暴れだし、火口の秘密ドアを開くと、そこからタイガーのニンジャ部隊がガンガン降りてきた。スペクターの要員も、タイガーのニンジャもがんがん死にまくっていて、たのしすぎる。

間一髪、ボンドはスペクターの衛星を破壊、スペクターの首領は基地を爆破して逃げ出し、ボンドは、浜美枝と逃げたところに潜水艦に拾われるのでした。

なんだか、三段重ね、豪華おせち料理を腹いっぱい食べさせられた気分。おもしろいけど胸焼けしそうだ。