地球へ…(1980)

地球へ…」、井上純一沖雅也古谷徹ほか出演、恩地日出夫監督、東映動画、1980


1980年の映画版。といっても、原作もTV版も見ていないので、この作品を見るのはこれが初めてなのだ。

設定はいい。完全管理社会とか、子供時代に社会的不適合者を排除とか、今では陳腐な気もするが、原作は1970年代なのでまあありだろう。主役の、ジョミー、キース、トォニィの設定は非常に魅力的。作画はちょっと竹宮恵子の画風からはズレているところもあるが、二次創作だからそれは仕方がない。

約2時間の映画だが、全体として、この尺におさめるためか、話を端折りすぎているような気がする。いろんな謎をちらつかせながら進行する話なのだが、この時間ではあっという間に種明かしをしなければならなくなり、余裕なくエピソードの骨組み部分を建てて終わってしまった感じ。

ミュウ側も人間側も容赦なく死んでいくところは、話に緊張感を与えていて、これもいいと思うが、それにしてはラストがあっさりしすぎ。こんなに簡単にハッピーエンドみたいなことにしてしまっていいのか?音楽は佐藤勝なので、非常によく書けている。

これはやっぱり原作をちゃんと読まなくてはいけないわ。図書館には竹宮恵子全集くらいはたぶん入っているでしょう。