空飛ぶゆうれい船

「空飛ぶゆうれい船」、池田宏監督、東映、1969

これは以前にエントリに書いたが、ついついまた見てしまったので、二度目のエントリ。

岩井俊二セレクションの映画を上映する特集で日本映画専門チャンネルでかかっていたのだが、この特集でかかっていたのが、この映画の他に「夢」「風が吹くとき」「ヒバクシャ 世界の終わりに」「「六ヶ所村ラプソディー」「原子力戦争 Lostlove」などなど。岩井俊二ってそういう人だったわけね。まあ別にいいけど。

あらためて見てみると、ゆうれい船がボアの攻撃を受けてからボアの基地に突っ込むまでがけっこう尺をとってあった。まあ最後の決戦だから、ここをいいかげんにするわけにはいかないか。しかし、機雷原をどうやって突破したのかよくわからないし、ボアの基地を守っている大ダコロボットが一匹だけというのもどうよ。

しかし、ボアのボール型ロボットはちょっとしか出ないがほんとうにカッコイイ。ゴーレムに足がついていないところもイイ。一番好きなのは、ゴーレムとゆうれい船が相対してミサイルを撃ちあう場面。ここのミサイルランチャーの出し方が最高にかっこよすぎ。ゆうれい船の中にさりげなく「U-Boat」というタイトルの本がおいてあったり、細かいところに神経が行き届いている。

岩井俊二は資本主義がどうのとか格差社会がどうのとか、つまらないことを言っているが、そんなものはこの映画の一番しょうもないところで、これがただのプロパガンダ映画だったらとっくに価値はなくなっている。

話の筋立てがハヤトのモノローグによる説明に頼っていることとか、弱点はあるのだが、このストーリーで、尺を1時間に収めたところがえらい。90分だと子供はあきてしまうし、60分だと大人でも苦にならない。これは大事。