ビジネスの巨匠 バフェットとゲイツ

「ビジネスの巨匠 バフェットとゲイツ」、ディスカバリーチャンネル、2012.1.3

ディスカバリーチャンネルでやっていたこの番組、制作は2006年。ウォーレン・バフェットビル・ゲイツネブラスカ大学のビジネススクールに出向いて、学生とのトークショーをするというもの。ネブラスカ大学で行なっているのはバフェットの母校だから。この番組の年に在学していた学生は得をしてるなー。

ショーはすべて学生とバフェット、ゲイツのQ&A方式ですすめられ、質問できるのはあらかじめ選ばれてステージにいる学生だけ。ただし、質問は事前通知はなし。まあこれほどの大偉人だから学生の質問に即答するくらいのことはわけはないかもしれないが、それでも、答え方がちゃんと好感度を聞き手に持たせるような内容にできていることはさすが。バフェットは「話を上手にできること、社会や人とうまく接することができることは、それ自体が財産だ」と言っていた。ゲイツは「戦略に長けた人、リーダーシップがある人、専門性の高い人であることが大事、優秀な人はその3つを持っているか、足りない部分は他の人と組んで補える人。これを兼ね備えた人は非常にまれだ」と言っている。

バフェットは「自分に投資しろ、自分の能力が開発されていない。それから夢を持て。何か打ち込めることを見つけてそれに献身しろ」という。また「失敗はするもので、それは避けられない。最大の失敗は何もしないことだ。表にでない損失こそ大きい。だからくよくよせずに以前を見ろ」とも言っている。ゲイツも「これまでの大きな失敗はテレビのネット配信への遅れと検索エンジンへの参入。やるべきときにチャンスを逃したことが失敗だ」という。損失とは機会損失なのだと知れ、という話。

バフェットは「優秀な人達の中に自分を置け。自分が人から学べるし、自分も人によい影響を与えられる」という。ゲイツは「若いうちに広い世界を見て、問題を見つけろ」と言う。

子供の育て方。バフェットは「子供には何の仕事をしているか教えなかったし、普通の環境で育てた」という。ゲイツは、「子供にお金の制約があることを教えること、親と関係なく自分の力で生きることを教える」という。バフェットは「ビルもわたしも、子供にはほとんど財産を残さない。巨大な財産を世襲するのはアメリカ的ではない」と言っていた。

フラット・タックスについてはふたりとも反対。まあ、これは二人の持論か。バフェットは「自分は株を担保にして借金し、死んだ時に不動産を売却して返済するようにすれば生涯、所得税を払う必要はない。こういう仕組みは不公平だ」と言っていた。

ショーが終わった後で、二人は、ステージ上にいたすべての学生と握手していった。このショーに出演できた学生はたぶん、この経験を一生忘れないだろう。バフェットやゲイツくらいの人だと、人の心の掴み方も違う。