ブラタモリ 地下鉄スペシャル後編

ブラタモリ」 「地下鉄スペシャル後編」

本放送は見られず、再放送を録画したものを今頃になってからやっと見た。しかしこれはコピーを残す価値がある一本。

まず中野富士見町にある丸ノ内線と銀座線の車両基地へ。その一部に「ステップアップステーションセンター」という施設が。ここは4つの地下鉄駅の改札部分をそのまま再現している、駅員のための研修施設。東京メトロはこんなに金をかけているのか。タモリは券売機の裏側に回ったり、駅員の訓練のまねっこをして遊んでいる。

もうひとつの研修施設は運転士や車掌の研修施設。本物の車両の一部をカットしているシミュレータが置いてある。これはそのへんにあるゲーム機や地下鉄博物館のそれとは違い、車両の揺れまで再現されている「本物」。車掌用にもモニタがあって、ちゃんと訓練できるようになっている。それから運転士のシミュレータ。電車でGOだ。お手本を見せているプロは停止位置ぴったりに止めている。これには速度や停止位置からの距離を測っているモニタがちゃんとついている。タモリもやってみるが、1回目は90cmオーバー。2回目は2.7mオーバー。やはり本物は電車でGOのようにはいかないらしい。

次は車両工場。台車を抜いた後の車体が並んでいる。地下鉄で台車を外して点検するのは4年に一度とのこと。このあたりは「みんなの鉄道」でけっこう見慣れているけど、東京メトロはあっちではやってないからありがたい。

車両基地で初公開されたのが、銀座線の新型車両。そんなものができていたのか。銀座線の新型車両ができたのは28年ぶりだそうだ。自分は現行型の前の型の車両にもよく乗っていたからこれは感慨深い。車両は愛知県の工場で製造された後、ディーゼル車にひかれて一日がかりで浜川崎の駅へ。この駅はそんなことにも使われていたのか。ここからは台車を外してゴムタイヤの台車に付け替え、トレーラーで引いて車両基地へ。深夜の輸送なのでさすがに鉄オタが写真を撮っているということもない。これはかなりかっこいい。

この新型車両、従来のホーンに加えて、昔の銀座線で使われていたホーンを模したものがついている。そして計器類はすべてデジタルのタッチパネル。一行は地下鉄の屋根の上から新型車両を観覧。うらやましい。

そして極めつけ。場所も極秘になっている地下鉄総合指令所。これはかっこいい。東京メトロ前線の運行管理をここでやっているのだ。そして、撮影中にいきなり事故発生(本物)。ダイヤの復旧は実際に人が紙に線をひいて、組み直している。いまでもそんなことをやってるのか。

タモリの電車遊びをNHKの権力で実現させた回。しかしこれは感動した。見てよかった。タモリは鉄道好きの理由の一つは巨大なシステムだと言っていたが、まさにそのとおり。