カーネーション 55-60話

カーネーション」、55-60話、第10週「秘密」

カーネーションの今週の放送、怒涛の展開で完全にやられた。月曜日に、いきなり濱田マリが糸子に絶縁を言い渡してくる。これは言ってみればただの嫉妬と言うか、イチャモンなのだが、「いつも成功しているあんたに負け組の気持ちはわからん!」というもの。主人公の前向きな姿勢はたいていホームドラマではいい方に描かれるもので、それが不幸な人間から真っ向から否定されるパターンはめずらしい。このしかけはおもしろい。

太平洋戦争初期ののんびりした社会の雰囲気もよく描かれている。このあたりもうまい。それに勝の浮気!やってたか!おまけに奈津のダンナが女と出奔してしまったというおまけつき。この展開が週の半ばに来ていて非常に話が盛り上がった。

そして土曜日は「ミシンを供出しろ」と迫ってくる愛国婦人会のおばはんたちが、「お国のために骨になって帰ってきてこそご奉公」と言ったことに対して、完全にキレてしまう糸子がかっこいい。目を三角にして「なにぃぃぃぃ」とおばはんたちに迫る糸子の姿はすがすがしい。このあたりも尾野真千子のうまさをしみじみと感じる。

土曜日最後の場面は、アルコールの瓶を善作が火鉢にひっくり返して家が火事になってしまうという大波乱。来週の予告では善作は大やけどながら助かったようすだが…。

ひとつ納得が行かないのは、このドラマではいちおう「糸子は働き者だがあまりきれいではない」という設定になっているらしく、勝の浮気相手がべっぴんだと言ってしょげているのだが、どう見ても勝の浮気相手のほうがはるかに不細工。設定とはいえ、ちょっと白々しい。