金星湯 最終営業日

「金星湯」、広島市西区三篠町2-12-10

今年も広島市の銭湯スタンプラリーがはじまり、何軒か回ったところで、西区の「金星湯」(「きんせいゆ」です)に、「施設老朽化のため、平成23年10月31日で廃業します」という張り紙があってぼうぜん。

ただでさえ、去年から府中町の「東洋温泉」が廃業して、広島支部の銭湯は22軒になっていたのだ。またひとつ減って、これで21軒。比較的改装が新しくされているところと、歓楽街にある「音戸温泉」を別にすると、今後10年以内に市内の銭湯はほとんどなくなってしまうのではないかと思う。

10月31日月曜日、夕方に金星湯に行ってきた。外の道路から写真を撮っていると、お店のおばさんが「きれいに撮ってね」と声を掛けてきた。こちらもニコニコと返事。この銭湯は、入り口が道路に面しておらず、小さな道を入っていくと道路の反対側に入り口があるという変わった銭湯。この道の周りがちょっと手入れされた庭になっていて、なかなかにキレイ。この銭湯のとなりにある家も相当な年代物だ。再開発されてしまうのだろうか。

入店すると、客は3人くらい。それをいいことにiPhoneでばしばし写真を撮りまくった。最近新聞に「脱衣場で盗撮していて逮捕」なんていう記事をたまに見るが、銭湯だし、人の裸は写らないようにしているので大丈夫でしょう、と勝手に決めつけて撮る。iPhoneにはカメラのシャッター音を超静音にしてくれるアプリがあるので、こういうときに便利なのだ。

それにしてもこの銭湯には、サウナとか、泡風呂とか、ジェットバスとか、何もない。壁際に浅い浴槽と深い浴槽の二つがあるばかり。ここから少し歩いたところにある楠木町の「いづみ湯」には、それらのものが揃っているので、こちらが駅に近いとはいえ客はあまり来ないだろうとは思う。

いつも湯が熱めだったが、今日はとりわけ熱かった。サービスのつもり?最後の日だと思うと、苦手なはずの熱い湯もあまり気にならない。浴室に入ると、おじさんが一人いて、「昔はここも満員じゃったんよ」と話しかけてくる。こちらもいろいろ言葉を返すがどうも話が通じない。おじさん、他人の話はあまり聞いていないらしい。5分ほどつかってから出てきた。

すると脱衣場に新しいお客がまた3人ほどいた。最終日だし、少しはお客もいないとね。オロナミンCを一本飲んでさようなら。短い間ながらお世話になりました。