二十四時間の情事

二十四時間の情事」、エマニュエル・リヴァ岡田英次ほか出演、アラン・レネ監督、フランス、日本、1959

原爆忌ということで放送していたビデオを今頃見ることに。この映画はかなり昔に「去年マリエンバートで」との二本立てで見た。「去年マリエンバートで」もわけわかめだったがそれなりに雰囲気は楽しめたのに比べて、こちらはひたすら退屈で弱ったという記憶が。それから十数年たって見返しても、大して印象が変わらない。

エマニュエル・リヴァは、原爆ネタの映画を撮影するために広島に来ている女優。それが建築家の岡田英次と出会って一日だけの関係を持つというおはなし。エマニュエル・リヴァは、戦争中にドイツ軍人を彼氏に持っていたおかげで、戦争が終わってから頭の毛を剃られて晒し者にされた過去が。岡田英次はリヴァに残って欲しいのだが、結局リヴァは去っていきました。

ストーリーらしきものはなく、ひたすら、リヴァと岡田の会話が淡々と続く。その会話も通じているようないないような。原作と台本を書いているのはマルグリット・デュラスなので、普通に書かれていなくてもそれはしかたがないか。しかしそれだったら、最初からデュラスの本を読んだ方がいいような気がする。

見物は1950年代後半の実際の広島。セットはほとんどなしだろう。原爆ドームの真ん前に掘っ立て小屋みたいなお店が建っていたりしていて、まだ原爆ドームが聖地のように扱われる前の姿がわかる。あとは、平和公園原爆資料館、本通り、流川近辺のネオン街、路面電車、広島駅などがそれとわかる場面だが、街の様子は何もかも違うので識別できない場所が多数。記録映画として見ると貴重品。

最近はこの日本語タイトルではなく、原題をそのままカナ書きして「ヒロシマ・モナムール」としていることもあるようだ。去年だったか、市内のフィルム・アーカイブでの上映の時はそちらの表記になっていた。そんなに長い尺ではないが、とにかくつかれた・・・。