小林研一郎/広島交響楽団 チャイコフスキー「悲愴」

リスト   「ハンガリー狂詩曲第2番」(ピアノ)

      「ピアノ協奏曲第1番」


チャイコフスキー  「交響曲第6番 悲愴」


     金子三勇士(ピアノ)

     小林研一郎指揮、広島交響楽団広島市文化交流会館、2011.7.29


コバケンが振るというので、ちょっと無理して行ってきた演奏会。当日券なんかいつも掃いて捨てるほどあるのだが、今日は少ない!そして会場がほとんどいっぱいだ。おどろいた。コバケン人気だろうか。一階だけしか見ていないので、二階はちょっと空席があったかもしれないが、このオケでこんなに入るときもあるのだ。

プログラムをよく見ていかなかったので、最初のリスト「ハンガリー狂詩曲」がピアノ独奏だというのを、演奏者が出てきてはじめて知った。この金子三勇士(かねこみゆじ)、1989年生まれだ。若いねぇ。日本生まれだが、母親がハンガリー人で、音楽教育はハンガリーで受けている。ということなのでリストは得意レパートリー。じゃかじゃかと豪快に弾いていた。ちょっととちっていたところもあったが、気持ちよかった。

リストの協奏曲は、ピアノもオケもじゃじゃーんという感じで気持ちよく鳴りまくっていた。まあ、これもちょっとはとちっていたところもあったが、全体としてはマル。

そしてチャイコフスキーの悲愴。これも小林研一郎の曲づくりの目標はわかった。で、トチリがちょっと聞き逃せないレベル。第1楽章はかなり気になった。第2楽章はまあまあ聞けたが、第3楽章は肝心なところで金管が派手に失敗。おいー。第4楽章は無難にこなした。小林研一郎といえども、この楽団をちゃんと鳴らすことはむずかしかったか。

それにしても小林研一郎、2曲目の後は、金子三勇士をずっと前に立たせて拍手を受けさせ、悲愴の後も自分は極力引っ込んでオケに拍手を受けさせていた。ヴァイオリン奏者とは全員と手を握っていた。そして、客に対してスピーチ。「もうすぐ8月6日です。こういう曲ですからアンコールはしないことに、楽員と相談して決めましたが、こういう曲から出発して元気な日本にしていきましょう」みたいなこと。

いちいち配慮がマメな人だ。こういう気の利く人が楽員をちゃんと引っ張れるということか。客は大喝采だった。