オーメン2 ダミアン

オーメン2 ダミアン」、ウィリアム・ホールデン、リー・グラント、ジョナサン・スコット・テイラーほか出演、ドン・テイラー監督、アメリカ、1978

オーメン」第二作。期待していたよりずっとおもしろい。今回は「ダミアン 覚醒編」。前作のダミアンはただの子供だったが、今回は少年。だいたい13歳。途中までは自分の正体を知らないのだが、聖書の文章と自分の頭にある「666」の数字で、自分が悪魔の子だとわかる。それでも親しかった従兄には受け入れてもらおうとするのだが、拒絶され、はじめて自分の意思で人を殺す。このあたりのダミアンの微妙な心の描写がよし。

ダミアンは死んだ父ソーン大使の弟に引き取られ、ソーン財閥の御曹司として育てられているのだが、軍の幼年学校に入れられている。ソーン財閥の幹部、幼年学校の教官、そして意外な人物が悪魔の手先になっていて、陰からダミアンを守っているのだ。個人的に怖かったのは、農薬が噴出する事故でソーン産業の幹部が死んでしまうところ、ダミアンの血の秘密を知った医師がエレベーターの事故でぺちゃんこになって死んでしまうところ、ダミアンの正体を知ってから貨車の連結器に挟まれて死んでしまう美術館長といったシーン。

最後にウィリアム・ホールデンが、ダミアンの殺害を決意するが逆に殺されてしまう場面のシークエンスも意外性があってなかなかよし。人が殺される場面は前作以上に工夫を感じる。最初にダミアンの秘密を知るブーゲンハーゲン神父が殺されるエピソードも、前作とよくつながっていて、ここもうまくできている。

前作ほどのショックはないが、続編としての役割を十分に果たしている佳作。これで第三作がおもしろかったら、ほんとうにいいシリーズになっていたのに、ざんねん。

主役ダミアンを演じるジョナサン・スコット・テイラーは、美少年ではない、ちょっと丸顔のかわいい少年でパタリロ似?だが、妙に美少年すぎないところも含めてマル。幼児だった前作のダミアンとは違った怖さが出ている。それに比べると第三作のダミアンはちょっとなあ。まあ、この映画は十分楽しめた。リメイク版は見ていないのだが、おもしろいのだろうか。