北陸代理戦争

「北陸代理戦争」、松方弘樹野川由美子千葉真一ほか出演、深作欣二監督、東映、1977

深作欣二の実録ヤクザものの末期の作品。北陸は福井のおはなし。冒頭から雪の積もった地面に首まで埋められている西村晃をひきつぶすギリギリのところでジープを爆走させる松方弘樹西村晃は舎弟のハナ肇を引き込んで松方を叩こうとして、関西の大組織の切り込み隊長、千葉真一と手を握る。

ところが、ハナ肇西村晃を引退させ、返す刀で松方弘樹を襲撃、重傷を負わせて縄張りをすっかり手に入れてしまう。やっとのことで逃れた松方弘樹は、ハナ肇の片腕を切り落とし、関西のヤクザを殺して刑務所入り。その後出所してきた松方弘樹は、千葉真一の親分にあたる遠藤太津朗と直接手を握ってハナ肇を追い落とし、縄張りを奪回。しかし、今度は遠藤太津朗の大組織が北陸を狙ってくるのでした・・・というような話。

終わりのところでもまたまた松方がジープで千葉真一の子分達の頭をジープでひきつぶしたり、雪の北陸でジープが大活躍。あぶないなーと思うが、実際にジープを乗り回していた渡瀬恒彦(ケガで結局出演せず)は車がひっくり返って大けがをするはめになったらしい。

他にも成田三樹夫伊吹吾郎地井武男ほかの濃い人々が大挙出演。松方弘樹はもうあばれすぎ。しかし、暴れて自滅するわけではなく、最後には関西の大組織から北陸の縄張りを守り抜くわけで、腕も立つし頭も切れるりっぱなキチガイである。雪景色ばかりの画面と乱暴な人々のマッチングがまたよし。けっこうスカッとした。