ディープピープル 動物園飼育員・ゾウ編

ディープピープル」 「動物園飼育員・ゾウ編」、NHK、2011.6.6

今回はゾウの飼育係。愛媛県とべ動物園ズーラシア多摩動物公園からひとりずつが出演。ゾウが鼻を使って絵を描いているのにはおどろいた。もちろん飼育係の指示通りに鼻を動かしているだけだが、子供の絵よりはちゃんと絵になっている。それくらい、鼻は微妙に動かせるということ。

直接ゾウと接触する「直接飼育」と、柵越しでゾウと接触する「準間接飼育」の二つの飼い方があり、とべ動物園ズーラシアは直接飼育、多摩動物公園は準間接飼育。それぞれのメリットについて議論しているが、やはり問題は安全性。多摩動物公園の飼育係は、「ゾウは絶対に踏むつもりで踏んでいると思う」と言っていたのにはびびった。間違えてたまたま死んじゃったというわけではないらしい。他の飼育員は「注意して見ていればわかる」と言っているが・・・。確かに日本でも何人も飼育員が死んでいるのだから、実際危ないのだ。

あと、餌の量がすごい。1日に100キロ食べるそうだ。一日にえさ代1万円ということもあるとか。それに1頭につき飼育員が2人か1.5人はつくので、ゾウ1頭飼うのにはすごいコストが。餌も工夫がしてあって、ふつうのペレットでも手製の道具を使って少しずつ食べさせるようにしたり、りんごやいろんなものを使って特製のゼリーを作ったりとか、動物園なりに手間を掛けている。

番組でゾウの歯を持ってきていたが、さすがに大きい。ゾウは臼歯だけ、しかもたった4本しかないのだそうだ。これでなんでもかみくだく。竹でもバリバリ食べている。

飼育員はみな「ゾウとの付き合いは一生もの」と言っていた。アフリカゾウの寿命が70歳くらいだそうなので、飼育員のキャリア全部使ってもゾウ1頭の死を看取れないかもしれない。今度動物園に行ったときは、ちゃんとゾウを観察しなければ。