スパイキャッチャーJ3 2話

「スパイキャッチャーJ3」、2話「SOSポラリス潜水艦 後編」、川津祐介江原真二郎丹波哲郎ほか出演、東映、1965

話にだけは聞いていた東映のスパイもの。味方の組織は「TULIP」でエライ人が丹波哲郎、副官が江原真二郎。敵の組織は「TIGER」で首領は大平透(声だけ)。なので、敵はおもいっきり「宇宙の帝王ゴア様」にしか聞こえない。

川津祐介が若いのに感動。「ワイルド7」の草波隊長のときとだいぶ違うなー。もっともわたしは川津祐介といえば、「ワイルド7」と「ザ・ガードマン」、あとはクイズ番組みたいなのしか覚えておらず、この人が一番映画に出まくっていた若い時期の作品についてはほとんど知らないのだ。

川津祐介を拷問している敵組織の下っ端が八名信夫。こっちはほんとに若いわ。ちょっと見ただけではわからなかった。後年のように白髪でない分、安っぽい感じで、あまり怖そうな悪役にはなってない。

話の題名が「SOSポラリス潜水艦」となっているのだが、じつはポラリス潜水艦は出てこなくて、敵組織はアメリカの潜水艦「モービディック」(そう発音している)を乗っ取ったと見せかけ、それをネタにしてポラリス潜水艦を騙り取ろうとしている、というストーリー。よって、ポラリス潜水艦は写真以外出てこない上、肝心の潜水艦のセットがあまりにもおそまつ。

潜水艦の司令塔にはくじらの絵が描いてあって、「USA」と書いてあるというもので、しかもこれがハリボテ。ハリボテの中身は、古いUボートだったという設定。潜水艦にハリボテをかぶせるとか、意味がわからないし。ハリボテの下から出てきた本物の司令塔は全然Uボートのものじゃない。

川津祐介が乗り回す車が、シボレー・コルベット・スティングレーでこれはそれなりにかっこいい。走っているところはかっこいいが、この車が空を飛ぶ(原理不明)ことになっていて、その部分のミニチュア造型が手抜き。なんだか紙粘土に彩色しただけみたいだ。コルベットを調達するだけで予算が飛んでしまったのか。

かなりとほほな話だが、これでも脚本は都筑道夫が書いているのだ。それにしても初回(2話でひとつのストーリー)からこの安さとは・・・。