ニュースの深層 堀江貴文×上杉隆

ニュースの深層」、「ライブドア事件・検察への思い」堀江貴文×上杉隆朝日ニュースター、2011.5.17

堀江氏の収監前最後のテレビ出演?かもしれないので、見た。まあ、あいかわらずの堀江節だが、もうすぐ二年半の刑務所生活だというのに、悲壮感皆無でいつもどおりしゃべっているのはさすが。収監前にいちばんしておかなければいけないのは歯の治療だそうで、捜査中の拘置所生活でも歯医者にかかったらまるで治療はしてもらえず、結局保釈後に歯を2本抜くことになったといっていた。刑務所で、病院に行けるのは刑務所で面倒を見きれないレベルの精神異常か、もうすぐ死ぬことが確実なレベルの重病人だけで、あとは放置状態という話は聞いていたから、ひどい話。

検察には恨みつらみは言っていなかったが、「要するに、定年までがまんしてサラリーマン生活で給与をもらう以外の方法で金を儲けることは悪、と思っている人たちがやっていること」と切って捨てていた。フジテレビの買収劇も同じで、自分ががまんを重ねて作ってきたものが一瞬で他人に買収されることが、プライドとして許せないのだろうという話。他人の成功に対するルサンチマンを、成功者への攻撃という形で噴出させるパターンが横行するのは、貧しい社会だと思う。日本は前からそういう社会だったのか?それとも、この50年か60年くらいでそうなってしまったのか?

堀江氏によれば「日本はすでに貧しい(経済的に)社会で、これからもどんどん貧しくなっていく」とのこと。「280円のユッケを消費者が平気で食べていて何も考えないことがそもそもおかしい」とも言っていた。生肉はともかく、この20年くらい年率1%か2%しか成長していない上に、若年者の人口減少と福祉支出のやりすぎがわかっていて、誰もそれを止められないのだからそれも仕方ないか。

刑務所では本を2000冊読み、メルマガの原稿を書くと宣言していた堀江氏。収監されるのは900日くらいだと思うが、とても元気だ。いろいろ叩かれたり、攻撃されたりしているのに、あまり個人を恨んでいないところもエライ。まあ、他人を恨んだりすることは時間とエネルギーのムダと思っているのだろう。元気なところを見られてよかった。