極底探検船ポーラーボーラ

「極底探検船ポーラーボーラ」、リチャード・ブーン、スティーブン・キーツほか出演、小谷承靖、アレックス・グラスホフ監督、アメリカ、日本、1977

録画していたものをちょっとでも消化しようと思って見たのがこれ。少し前に日本映画専門チャンネルで微妙な特撮映画をまとめて放送していたものの中の一本。

おはなしは、恐竜狩りをしたくてしょうがない社長(ブーン)と、技師のキーツほかの面々が、石油掘削用の地底ドリルマシーン(これがポーラーボーラ)を使って、地底を掘り進むとあらふしぎ、地球の内部は空洞になっていてそこには恐竜世界が、というもの。

ポーラーボーラは、丸い鉛筆の先を削り落としたような、ひねりもなにもないデザイン。地底の恐竜世界はあきらかに日本で、そこにいる原始人はドーランを塗った日本人。探検隊の日本人の博士(まっさきに恐竜に踏み殺される)、マサイ族のガイド(これも食い殺される)、お色気ガール、原始人のおねえさん(これも日本人)、みんな微妙すぎる。

結局社長はどうしても恐竜狩りがしたいということで、探検隊のメンバーと別れて原始人ねえさんと地底に残り、技師とお色気ガールが地表に戻っていくのでした。

社長がいい感じにイカレている。はっきりいって、ほかのキャストはほぼどうでもよいが、この社長だけがいい味出しまくり。それにしても、ボウガンや石で恐竜やっつけようとか、それはムリでしょ。

恐竜の操演はなかなかよい(このティラノサウルスが、後で「恐竜大戦争アイゼンボーグ」に流用されたとのこと)。が、作品全体に流れている安さはどうにもしようがない。

恐竜狩りがしたいためだけに残る社長の後ろ姿が微妙な笑いとかっこよさの余韻を漂わす、まあそういう映画。テレビで見られたのはお得。