真夏の薔薇 65話(終)

「真夏の薔薇」、65話(最終話)

前回、いきなり交通事故で死んじゃった入江達也の肝臓を移植される安永亜衣。手術チームにはもちろん池田政典も入っている。そういえばこのドラマの放送時って、脳死肝移植は法律的にできたのか?いずれにしても手術は成功。二日後に目覚めた安永亜衣は、入江達也が死んだことと臓器移植の話を聞かされる。とくに感情的な反応はない。

自宅にいた池田政典は急に呼び出されるが、安永亜衣の病状が悪化したそうな。しかしすぐによくなる。こういうくだりは意味がよくわからない。安永亜衣は母親に「これからはきれいな、美しい生き方をしたいって思うの」と言っている。まあ、よく言うわという感じ。

池田政典は、入江達也が死んでも安永亜衣の中で生きている、「ぼくはやられた、やられたんだ」とか、ぶつぶつ言っている。安永亜衣の店に飲みに来て、そこで福家美峰が妊娠していることを聞かされる。それを聞いて、福家美峰に「子供を産んで、ぼくにも父親の役割をさせてくれ」と告げるのでした。結局復縁するんかい!小野寺昭も、姿晴香によりを戻そうと言っている。何を考えているのか、こやつら・・・。

退院した安永亜衣は、池田政典に「おにいさん、って呼んでいいかしら」と言っている。いくら手術やら何やらあったとはいえ、そういう納得のしかたでいいのか?結局二人は、いっしょに出会いのきっかけになった水天宮にお参りにいき、昔を思い出すのでした。

「真夏の薔薇」もこれで一巻の終わり。最後に主題歌「悲しみのためじゃない」がフルコーラスで流れている。これもなにげに岩代太郎作曲だったのだ。65回もきくと、すっかり覚えてしまった。このドラマの濃さによくあった濃厚テイストの曲である。

むちゃくちゃなドラマだったが、全話、すっかりはまり通し。本放送時に、たまたま機会があって1話分だけみたことがあり、「このドラマはいったい何?」と思っていたが、全部みることができて本当にラッキーだった。おそるべきは、中島丈博の筆力。このドラマのおもしろさは、なんと言っても中島丈博の脚本である。このドラマを書いた時点ですでに大家だったのだから驚くようなことでもないが、昼メロに必要なことを初執筆作からしっかりつかみ切っているところはさすが。話がありえないくらいめちゃくちゃでも、見ている方としてはおはなしがおもしろければそれでいいのである。作家は読み手や視聴者にこびるのではなくて、それらをひっぱっていく筆力が大事だと痛感する。

そういえばこの前「真珠夫人」もCSで再放送していたので見ておけばよかった。いや、見てしまえばまた膨大な時間を投入することになったから見なくて正解だったかもしれない。うちのDVDライブラリーには、「麗わしき鬼」が全話ストックしてあるので、これもいつかは見なければ。「さくら心中」もCSに落ちてきてくれるといいな。そしていつかは「中島丈博 昼ドラ あらすじライブラリー」を作るのだ。何年かかるかわからないけど・・・。