百万円と苦虫女

百万円と苦虫女」、蒼井優森山未來ほか出演、タナダユキ監督、「百万円と苦虫女」製作委員会、2008

これはかなりおもしろかった。ひょんなことから前科者(といっても罰金ですが)になってしまった蒼井優。家では家族がケンカしていて、蒼井優は「百万円たまったら出て行くから!」と叫んで実際に家を出てしまう。その後は百万円たまったら居所を変える生活のくりかえし。

海の家でサーファーにモテたり、山の中で村の「桃娘」にされそうになって逃げ出したり、いろいろあるのだが、小さな町で森山未來と出会って同棲することになる。ところが、この森山未來がけっこうなろくでなしで、蒼井優からカネを借りるようになる。蒼井優は疲れてまた出て行こうとするのだが、じつはこの後でひとひねり入っている。

出演者は、それぞれ味があっていいが、蒼井優の弟役の齋藤隆成がけなげでかわいい。ピエール瀧とか、佐々木すみ江とか、笹野高史とか、上手な人が上手に演じている。そしておいしいのは森山未來!ダメ男っぽくて、モテモテで、実はけなげとか、もういいとこ取りでおいしすぎる。タナダユキは人の感情をコチョコチョとくすぐるのがうまいなあ。見ている方はめちゃめちゃ振り回されたよ。

最後のシーンもわりとパターンにはまっているが、ちょっと切なくて、上手な切り方。これは劇場に見にいけばよかったなあ。