ブラタモリ 江戸城外堀

ブラタモリ」 「江戸城外堀」、2011.2.3

今回も新作。新作続きでうれしい。まず外堀とはどういうものかを説明した後、現れたガイドは千代田区の歴史民俗資料館の人。外堀を上から見てみようと言うことで、法政大学ボアソナードタワーの上に登って外堀を眺める。元は14キロあったのが、いまは中央線沿いの4キロだけが史跡として残っている。この外堀の内側が江戸城、つまり惣構。その外堀はわずか三ヶ月の工事でできあがり、場所によって違った名前がついているというおはなし。

まず外堀の西側にある、市谷亀岡(かめがおか)八幡宮へ。ここの急な階段は元の地形の名残。室町時代に鎌倉の鶴岡八幡宮から勧請したので、亀岡八幡宮神職の方が出てきて、この神社ではペットの七五三をやっているという話をしている。次に四谷から赤坂見附の近くへ。このあたりが真田濠。いまは上智大学のグランドになっているところがそうで、ここは自然の地形を利用することができず、まったく人力で掘り抜いてつくったもの。

ちょっと変わった感じの謎の建物があって、千代田区の職員の人に開けてもらって中へ。入り口は2階部分にあり、1階部分もあわせて倉庫になっている。元は変電所だったものを倉庫にして、防災用の資材をおいている。次のゲストが出てきて、真田濠のとなりにある料亭のご主人。昭和の初めには真田濠にはちゃんと水があったのだが、戦後になってがれきの処理のために埋め立ててしまったのだそうな。

次は四谷駅へ。ここでまたゲスト。鉄道総合技術研究所の人。鉄道建築の専門家。中央線(旧甲武鉄道)がはじめに牛込まで引かれたときに、外堀を利用して鉄道工事をしたのだが、新宿から東京までの間は最初からトンネルと高架をつくって、踏切がないようにしてあったのだという話。明治時代のトンネルは「御所トンネル」という名前でいまも総武線が走っている。トンネルの横には用地杭という工事の目印があり、「工」という工部省のマークがほってある。

昔の牛込駅はいまの飯田橋駅の近くで、牛込見附という門になっており、そこが改築されて駅になったそうだ。今はお店になっている場所のとなりに湾曲した石垣があり、それが昔の牛込駅の遺構である。この近くにまた明治の鉄道建設のときにつくられた石垣があり、石の積み方に西洋式と日本式の様式がまじりあっているのだという。高架の鉄橋にも、1904の文字が刻印されていて、明治にドイツから輸入されたときの橋がそのまま残っている。

次に地下鉄飯田橋駅へ。ここでゲストは東京メトロの人に交代。外堀の下には地下鉄の留置線があり、3編成分の列車を止めるスペースがある。入り口の部分にはモザイクがかかって隠されているが、内部はほとんど飯田橋駅との間にあり、有楽町線南北線が緊急時の訓練用に使っているとのこと。これはふつうには見られない貴重な映像。

最後は赤坂見附で終わり。ここももちろん昔の石垣が残るところ。今回もふつうでは見られないところがいろいろ見られて楽しかった。