ニセ札

「ニセ札」、倍賞美津子木村祐一段田安則ほか出演、木村祐一監督、「ニセ札」製作委員会、2009

吉本の才人、木村祐一が脚本、監督にかんでいる映画。出演もしている。

敗戦直後、和紙づくりが地場産業の山間地の貧しい村で、村ぐるみのニセ札製造計画が動き出すという話。敗戦後のインフレで千円札が発行されてまもなくの時期。倍賞美津子は小学校の教頭で、最初は断っているが子供たち(自分の子供も障害者)のためということで、ニセ札づくりに一枚噛むことに。紙漉職人から、原版製作、資金調達と一通りの役が皆に割り当てられて計画は始動。

しかし途中で資金調達係がカネを持ち逃げ。射殺されてカネは取り返せたが、おかげで警察が動き出し、試作品をちょっと作って使ってみたところで、一党は外国に逃げた一人を除いてみな捕まってしまう。法廷に立たされた倍賞美津子は、カネというものについて一席ぶつが、当然全員牢屋行き、というオチ。

役者はそこそこ上手な人が揃い、段田安則倍賞美津子も、吉本芸人たちもそれなりにうまくやっていると思うが、脚本と演出にあまり盛り上がりがなく、話が淡々と進むばかりで大したヤマになるところがない。法廷での倍賞美津子の演説も上滑りしていて、おもしろいと思えるところがない。映画のネタとしては悪くないように思えるのだが、もったいない。