ブラタモリ 羽田

ブラタモリ」 「羽田」、NHK、2011.1.20

やっと放送されたブラタモリの新作。羽田だ。わーい。

いきなりタモリと久保田アナが滑走路の真ん中に立っている。こんなのどうやってロケしたのか?と思ったら、D滑走路が運用される前に許可を得てロケをしたとのこと。NHKの権力は毎回すごいなあ。後ろに流されている曲は「Gメン75」のテーマ。ちょっと年のいっている視聴者しかこのシャレはわからないだろう。

高所嫌いのタモリバケットクレーンに乗せて滑走路を俯瞰する位置に持ってきている。今回の先生は、D滑走路工事に携わっていた関係者。滑走路に細かい溝が引いてあったり、勾配がつけてある理由をいろいろ説明してくれる。なるほどー。そして滑走路の端まであるいて、扉をあけ、滑走路の下、桟橋部分まで見せている。これはそうそう見られない。しかし背景部分はけっこうモザイクがかけられている。2ch情報によれば、監視カメラの位置、滑走路下の空調室(滑走路の温度によって作動させるとのこと)への入り口の位置を隠すためらしい。なるほど。

ボートに乗って、夜の滑走路を海から観察。滑走路下の橋桁がキレイに並んでいる。滑走路下の部分は進入禁止になっている(あたりまえ)ので、こうやって見られる機会も少ないらしい。となりでは漁船がカニをとっている。滑走路の誘導灯の写真を見ながら、トークがはずむタモリ。いいなあ。

次は空港のとなり、羽田の町を歩く。道路沿いに煉瓦の低い壁が続いている。タモリは昔の堤防の跡だといっているが、ここで先生が替わり、法政大学の岡本先生が登場。やはり多摩川の堤防のなごり(昭和8年完成)が2キロほど残っているのだという。堤防上にかぶせてあるコンクリートは風化が進んでいるのに、煉瓦はほとんど風化していないのはすごい。

羽田は昔漁師町だったので、路地が多いのだが、メインの道路に対して路地がとる角度は地区によってちがう。それが町の形成された時期を示していて、直角になっている地区は江戸時代に、曲がっている地区は鎌倉時代にできたという。家が密集しているのは、風よけのための漁師町の工夫だそうだ。言われてみれば漁師町はどこでもそうなってる。

歩いていると「鴎稲荷神社」という小さな神社が。この神社もかなり古い神社らしい。その付近にいまは埋め立てられて市街地になった、昔の港の跡があるらしい。CGで見せられる昔の羽田は細長い砂洲になっている。道すがらに手焼きのせんべい屋を発見。江戸時代から続く古いお店だそうだ。せんべい屋のおじさんはおしゃべりで、先代の主人が撮影したという昔の漁師町だったころの羽田の写真をいっぱい出してくる。昔の羽田はのりの漁場だったとのこと。

羽田5丁目には広い朱色の橋、「稲荷橋」がかかっているが、渡った先は立ち入り禁止の行き止まりになっていてそこは空港の敷地になっている。昔はその先に行ったところに穴守稲荷があったのだという。昔門前町として栄えた羽田の写真がいろいろと出てきて、競馬場や海水浴場、歓楽街があった様子がわかるが、敗戦後、占領軍に接収されていまの羽田空港への拡張が行われたというはなし。

接収された当時に羽田に住んでいたというおじいさんが出てきて、昔の羽田の地図を出してくる。ちなみにこの人の本籍地は「羽田空港1丁目1番地」だという。ここで昔の穴守稲荷の様子をCGで再現。電車(京急?)もここまで来ていたらしい。最後の映像は、空港を向こうに眺めて潮干狩りをしている人たち。今回もおもしろかった。