ブラタモリ 日本の住宅

ブラタモリ」 「日本の住宅」、2010.11.18、NHK

前にやった「水道」編につづいて、「住宅」編。案内人は神奈川大学の建築の先生。最初は根津の長屋。根津にはほんとうに長屋が残っていたとは知らなかった。大正末期に建てられたが、様式は江戸時代と変わらないそうだ。もちろんちゃんと人が住んでいて、しかもけっこう若い家族である。

8畳一間に台所だけ。長屋なので壁はとなりと共有。風呂は台所の一角を掘って風呂桶を置いているだけ。プライバシーとかいうものは皆無である。外には井戸もある。

次は明治の洋館ということで、上野の旧岩崎邸。ここは何度か行ったので知っている。ここの案内人はたてもの園の研究員。

吹き抜けは洋館建築ではじめて導入されましたという話のつぎは、地下通路。ここは非公開なのでおもしろかった。敷地内にたくさんある建物の間を使用人が出入りするために使われていたそうだ。次はベランダ。これも最初期のベランダらしい。バルコニーとベランダの違いはベランダが屋根付きでバルコニーには屋根がないことらしい。タモリはこういうことも知っていた。えらいねー。

その次は千駄木にある和風のお屋敷。旧安田楠雄邸。大正時代に建てられた中流層向けの邸宅。案内人はまた神奈川大学の先生に戻った。大きな玄関を入った後は応接室。ここは最初から洋風の部屋としてつくられていたそうだ。ガラスを窓に使ったのもこのころからで、戸車でガラス戸を引くしかけもそのころできたそうな。台所には、最初期の冷蔵庫(氷を入れて使うもの)がある。

二階には上客のための客間。庭を眺めるためのこういう客間はもう料亭くらいにしかないらしい。タモリは、とある芸能人のための老後の住宅の基本設計をしていると言っていた。すごいねー。

次は深川の古い近代建築のアパート。旧東京市営店舗向住宅。関東大震災の後で、耐火建築として建てられたものがいまでも使われているというもの。ここは全戸、押し入れの下に地下室があって、昔は倉庫として、戦時中には防空壕として使われていたそうだ。このアパートは現役の建物だが、非常にきれいに使われている。よく空襲で焼けなかったものだと思うが、家によっては外は残っても中は焼けてしまったということもあったらしい。

屋上は三階になるのだが、まわりの景色がとてもよいところ。昔は都電の走る道だったらしい。

最後は団地。バス移動の間、1960年製作の団地生活を紹介する映画が流れている。小さい頃は公団住宅で育ったので、団地は基本、大好物である。映画に映っていたひばりヶ丘団地に到着。いまの天皇皇后両陛下がご見学にいらしたときの写真が!2DKの部屋だが、やたらきれいで、モデルルームかと思うくらいきれいに、しかし昔のままにしてある。理想の団地ですね。最後は夜の団地のバルコニーから、外を眺めておしまい。自分としてはむかしの団地が見られてよかった。次の放送もたのしみ。