中央湯

「中央湯」、広島市佐伯区五日市1-4-10

中央湯、というから市内中心部にあるのかというとぜんぜん違っていて、この銭湯があるのは五日市。安芸区の「日の出湯」と並んで一番中心部から遠いところにある。佐伯区の銭湯はここだけ。西区の銭湯も庚午湯より西はすべてつぶれたので、広島市西部に孤塁を守っている銭湯である。

場所は、佐伯区役所から広島電鉄とJRの線路を挟んで北側にあるが、まわりはてんで住宅ばかりでお店らしいものはぜんぜんなし。かつては商店だったような家屋もあるので昔はここにも店が並んでいたのかもしれない。しかしそれも遠いこと。店構えは、3階建てくらいのアパートの一角に銭湯が寄生している。このアパート、風呂がないのか?と思うが、いまどき風呂なしのアパートは流行らないし、そこまで古いようにも見えないのだが・・・。

中は、脱衣場も浴室も狭く、浴室もいちおう泡風呂はついているが小さな浴槽で4人くらい入ればいっぱいになりそうな感じ。ふつう銭湯の椅子や風呂桶は入り口付近に重ねてあるものだが、ここはカランのところに全部椅子が出してある。これも開店のたびにおばちゃんが出しているのだろうか。ここは営業時間が早く1時半から8時まで。田舎のほうでは何事も早いのである。

お湯はそんなに熱くなく、ふつうに長い時間入っていられる。これはけっこうだいじ。広告を眺めていると、「日の出湯」ほどではないが、市内局番が2桁、つまり佐伯区になって広島市編入される前らしい時期のものがいくつもある。薬局の広告には「当湯前」とあるのだが、外に出てもそんな薬局はない。五日市町広島市と合併してなくなったのは1985年のことなので、この銭湯の歴史もそんなに古くはないのだろう。とはいえ、1970年代にはもうできていたはずだが・・・。

五日市から市内中心部までバイクで帰ってくるのはこの時期けっこう寒い。この銭湯も立地条件はよくないので、なるべく長続きして欲しいとおもっているのだが。