戦争の犬たち

「戦争の犬たち」、クリストファー・ウォーケントム・ベレンジャーほか出演、ジョン・アーヴィン監督、アメリカ、1980

これはずっと昔に見たことがあった、と戦闘シーンを見ていて思い出した。ほかのシーンはほとんど頭から消えている。まあ、これは原作を読んでいるので、映画の印象が薄くなるのはしかたないか。

内容はビアフラ内戦をちょっといじり倒したような話で、プラチナ鉱山があるアフリカの独裁国ザンガロの政権を倒して、傀儡をあとがまに据えようとする鉱山会社が、ウォーケン率いる傭兵チームを雇うのだが、さて雇われたウォーケンも簡単に使い倒されるつもりはなく、両者の駆け引きとザンガロの政権打倒計画がいろいろからんで・・・というようなもの。

なかなかいいなあと思うのは、ザンガロに偵察に入ったウォーケン様が怪しい奴だと捕まってしまい、がしがし拷問に掛けられるところ。ここはなかなか残虐でいいと思う。しかしザンガロくらいインチキな国だったら、泥を吐かないウォーケン様ごとき、さっさと始末してもよさげなものなのに・・・。

あとはやっぱりウォーケン様の部隊がザンガロの政府軍兵舎を襲う戦闘シーン。多連装の擲弾筒みたいな武器が威力絶大でこれで撃ちまくると、目標はどんどん吹っ飛ぶ。ろくに警備もできていないザンガロ軍はあっさり壊滅。それにしても迫撃砲もないのに、よく襲撃計画たてられるなー。

ザンガロ大統領と、後釜に座るはずの軍人をあっさりやっちゃうウォーケン様の酷薄な感じはなかなかよいと思う。ただ、原作は襲撃計画の下準備が非常に綿密に描かれていて、そこが一番のポイントになっているのに、その部分がきちんとフォローされていないのは映画だからとはいえ、ざんねん。

フォーサイス原作の小説で映画になったものは、「ジャッカルの日」が名作だった以外は、映画としての出来がいまいちぱっとしないんですねー。小説の緻密さを映画に直すのはやはり大変なのか。