日本の悪霊

「日本の悪霊」、佐藤慶観世栄夫ほか出演、黒木和雄監督、ATG、1970

田舎町にヤクザの佐藤慶がやってくると、自分の女と自分にそっくりな男(佐藤慶、二役)が同衾している。この男が刑事なので、ヤクザの佐藤慶は刑事の佐藤慶と入れ替わる話をもちかけ、二人は誰も知らないうちにすりかわってしまいました、という話。

ヤクザの佐藤慶学生運動をやっていて人を殺していたり(「日本の悪霊」のタイトルはここから)、刑事の佐藤慶は戦争中は飛行機の整備兵で、特攻作戦の片棒を担いでいたりと、ワケありの二人だが、最後は手打ちをしたヤクザの親分たちを皆殺しにするために幼稚園の式典を襲撃、後にはヤクザと刑事の両方と寝て妊娠してしまったおねーちゃんだけが残る。

佐藤慶の二役は、よく見ていないとどっちがどっちだかわからなくなる。まじめ一方みたいな面構えだがやっていることはハチャメチャ。何をやってもサマになる佐藤慶だが、この二役は怪演。とりあえずおもしろかった。