ブラタモリ 六本木

ブラタモリ」 「六本木」、NHK、2010.3.11

やっとこれで「ブラタモリ」の録画分を全部見終わった。さっさと見ていればよかったけど、これはちょっとおいといたくらいでは古くはならないから別にいいのだ。

久保田アナは自分が学生の時に六本木ヒルズができて、移転したばかりの六本木ヒルズのテレビ局=テレビ朝日を受けて落ちたといっていた。「受かっていたら、そっちに行ってたの?」とタモリに聞かれて、「いやあ(笑)」といっていたので、本当にテレビ朝日に行きたかったらしい。

ゲストは近世史が専門の大学の先生。六本木近辺は大名屋敷だったそうで、大藩の屋敷がいっぱいあったようだ。場所が場所だから上屋敷か。ミッドタウンは長州毛利家の上屋敷だったそうな。高そうなCGを使って、門から屋敷の中までを映している。ミッドタウンの裏手が公園になっているのは知らなかったのだが、昔もここは屋敷の庭園になっていたそうだ。

次は国立新美術館。しかし美術館の方ではなくて「別館」の方に行く。昔は伊達家の屋敷だったそうだが、ここは歩兵第三連隊の兵舎だったので、その建物、つまり元の東大生産技術研究所の一部を残す形で別館として事務棟に使っている。

ミッドタウンから国立新美術館に行く道は、並行に二本あり、上のやや広い道が明治になってから馬や馬車を通すためにつくられた道、下の細い道が江戸からある道だったそうだ。そば屋のおじさんは、連隊があった頃のことを覚えていてその話をしている。二・二六事件の時はこの道を戦車が走っていたらしい。おじさんは、おぼろげにその時のことも覚えているそうだ。いくつやねん・・・。

戦後は軍の施設はすべて米軍に接収され、米軍に使われていた。ミッドタウン=旧防衛庁は、米軍の住宅だったという話。

次に脈絡なく井上順が出てきて、昔米軍御用達のハンバーガーやホットドッグを売っていた店の話をしている。米軍関係の店ができてから、だんだんおしゃれな街になっていったということらしい。

「ねずみ坂」または「いたち坂」という小さな坂を登っていくが、このあたりは高台と谷がいくつもあって、高台は大名屋敷、谷間には御手先組のような小身の武家屋敷だったそうだ。高台は高層ビルが建ったりしているが、谷間の小さな地割りになっていた方は現在でも再開発が進んでおらず、一軒家が残っていたりする。こういう家は無住になって放置されているところが多いようだ。その中の一軒は人が住んでいないのに手入れがされているのだが、昔の書道家の家で、遺品を管理する財団の所有になっているらしい。ここも再開発の計画があって、あと二、三年でなくなってしまうそうだ。

それから六本木ヒルズに移動。ここは大きなビルだが元は窪地で、そこを埋め立てて巨大なビルを建てたそうだ。昔、アークヒルズができる前の敷地も同じような小さな住宅が密集した窪地だったので、それには納得。またCGを使って、窪地が埋め立てられる前の街の様子を映している。まあ、この番組はお金を掛けて昔を見せる趣旨だから別にいいけど。

夜になってから六本木ヒルズの屋上に上って、東京の夜景を一望している。といってもタモリの関心は失われた東京の昔の姿と今もどんどん変わっていくその様子にあるようだ。

この番組、タモリ倶楽部とは違ったテイスト(はっきり言えば、すごい手間とお金を掛けている)で、東京のむかしの街の姿を見せてくれておもしろかった。東京のおもしろい場所はまだ山ほどあるので、続編ができたらいいなあと思うのだが・・・。