地球最後の男 オメガマン

「地球最後の男 オメガマン」、チャールトン・ヘストン、アンソニー・ザーブ、ロザリンド・キャッシュほか出演、ボリス・セーガル監督、アメリカ、1971

子供の頃に見た、とてもなつかしい映画。シネフィル・イマジカで放送されていたので、たまたま見ることができた。この時期には細菌戦争ものがはやっていたが、この映画がリメイクで、最初の映画化は「地球最後の男」(1964)だったことは、初めて知った。再リメイク版「アイ・アム・レジェンド」は未見。

中ソの細菌戦争で人類はほとんど全滅。生き残った者も肌や目が変色し、太陽の光を避ける奇怪なミュータントと化し、戦争以前の文明をひたすら憎むカルト集団を作って暮らしている。チャールトン・ヘストンは、全滅直前にワクチンを製造して、ひとり生き残った男。

ミュータントとヘストンの戦い(ミュータントは文明を憎むので、銃も車も使わない)が続くが、偶然ヘストンは病気を免れて生き残っている若者と子供の小集団を見つける。ヘストンは自分の血液から血清を作り、この集団を守ろうとするのだが、ミュータントを善意で治療しようとする子供の行為から悲劇が・・・というおはなし。ヘストンは最後に血清を残してミュータントに殺され、集団はあてのない旅に出る。このラストは子供心にけっこう強烈で、ラストシーンが映画を見てありありとよみがえった。

まあ、「猿の惑星」「ソイレント・グリーン」あたりのヘストン主演のSFものと同じで、ヘストンが人類のヒーローというパターンは変わらない。わたしはそういうヘストンが結構好きで、「続 猿の惑星」なんかもお気に入りなので、悪と戦う孤独なヘストンばんざいである。ミュータントは皆殺しけっこうじゃないですか。

しかし原作の小説や前作「地球最後の男」のファンからは、この映画、いまいち評判悪いらしい。70年代のはやりだった暗い未来がいい雰囲気を醸し出していると思うのだが。前作のDVDは廉価で発売されているようなので、これはゲットして見てみようと思う。