セブン・イヤーズ・イン・チベット

セブン・イヤーズ・イン・チベット」、ブラッド・ピットデイヴィッド・シューリス、ジャムヤン・シャムツォ・ワンジュクほか出演、ジャン・ジャック・アノー監督、アメリカ、1997

ヒマラヤ登頂をめざしたオーストリアの登山家が、第二次大戦のおかげでイギリスの捕虜になり、脱走してチベットに走り、そこで若き日のダライラマ14世に出会うおはなし。

まあインドからチベットに逃げていくのだから、いくら登山家とはいえ、たいへんなおはなし。ロケはほとんどがアルゼンチンで行われたということだが、ポタラ宮とか、一部のどうしても必要な部分は中国に内緒でチベットロケをしたらしい。ポタラ宮の内部などは、きちんとセットが作ってあり、往時の豪華な王宮の姿がしのばれる。

チベット人やその生活については、若干美化されているような気もするが、近代化される前の仏教社会のようすは感じ取れる。その分、中国の侵略は容赦なく描かれていて、これは中国政府が怒るのも納得。ダライラマ14世を演じているジャムヤン・シャムツォ・ワンジュク(と2人の子役)は、子供だが率直で聡明なキャラクターをよく演じていると思う。

ストーリーにはそれほど魅力を感じないが、美しい風景や音楽はとてもいい。そういうところを味わう映画なのだろうと思う。いつか一度は行きたいチベット。いままでよりもう少し夢がふくらんだ。