おさな妻(1970年版)

「おさな妻」、関根恵子新克利坪内ミキ子ほか出演、臼坂礼次郎監督、大映、1970

むかしむかし、富島健夫の小説は読んだが、映画ははじめて見た。ということで、原悦子主演の1980年版は未見。まあ、内容は富島健夫お得意の青春エロ小説。とはいえ、成人指定の映画ではないので、エロを匂わせる場面は最低限におさえてある(といっても関根恵子はちゃんと脱いでますが)。

母親を亡くしてひとりぼっちになった関根恵子は、叔母の坪内ミキ子に引き取られるが、そこの息子=いとこにレイプされそうになり、家を飛び出す。売れない女優とたまたま出会って、なりゆきで居候させてもらうことになるが、お金は稼がなければならないので(なにしろ高校生なのだ)、保育園の保母のバイトを始める。

まあそのうち園児を介して、園児の父親とデキてしまい、結婚することになる。とはいえ関根恵子自身がまだ子供なので、歳の離れた夫の昔の女性関係を許せなくなり、家出とかなんとかすったもんだするが、結局戻ってくるのでした、という話。

お話自体にはヒネリもなにもなく、ただただ関根恵子の魅力だけで見せている映画。なにしろ本物の女子高生(しかもまじめな優等生)の初夜シーンが最大の見せ場である。とはいえ、当時は衝撃的でも現在見れば、関根恵子のデビュー2作目という以外、特に価値はない。なにしろあまりにストーリーがちゃち。

関根恵子もまるっきり子供で(実際子供が子供の役をやっているのだ)、結婚生活もままごとみたい。それだったら、この頃でも「おくさまは18歳」とか、女子高生結婚コメディーものはちゃんと成立していて、そっちのほうはおもしろかったのだ。こっちは脱いでいるところ以外、取るところがないのでやはり微妙・・・。