続 大番 風雲編

「続大番 風雲編」、加東大介仲代達矢淡島千景ほか出演、千葉泰樹監督、東宝、1957

加東大介主演「大番」シリーズの2作目。

前作の終わりに財産をみなすってしまい、故郷に帰ったギューちゃんだが、宇和島では実家を新築していたので、それなりに羽振りがよく、地元の芸者とデキてしまったりしている。そのうち、おまき(淡島千景)から戻ってこいという手紙が来て、また兜町に舞い戻るギューちゃん。今度は、軍需景気に乗っかって儲けを出し、仲代達矢を引き込んで自分の店を持つ。

鐘紡株にひたすら張り込んで、大金を手にしたギューちゃんは、また芸者を囲っておまきの不興を買っているが、大して気にする様子もない。基本的ににくめない顔なのだ。故郷の大家から、伯爵家に嫁いだ原節子に届け物を預かり、「観音様や」と感動するギューちゃんは、観音様とは一緒になれないから一生嫁は取らないと決める。このあたりも可愛い。

とにかく羽振りがよくなったギューちゃんだが、支那事変勃発後の統制であっという間に没落。しかも今度はギューちゃんが師と仰ぐ富士証券の社長(河津清三郎)が自殺。さすがにショックでへたり込み、株から手を引こうとするギューちゃんを明るく叱咤するのが、チャップリンさん(東野英治郎)、そして側から支えるのはあいかわらずおまきでありました。

今回は相場師としてのしあがるギューちゃんが半分、ギューちゃんの女関係が半分。大金持ちのギューちゃんは当然のようにもてるのだが、女のほうは、若い男に流れたり、金がなくなると去っていったりで、結局動かないのはおまきさんだけである。それにしても、大枚の金を借りて返せなかったり、顧客に大損させたりしても、結局許してもらえるのはギューちゃんの人柄ということで片付けられているが、株屋の世界って、そういうもの?まあ、観ている分には楽しいからそれでいいけど。