未知空間の恐怖 光る眼

「未知空間の恐怖 光る眼」、ジョージ・サンダース、バーバラ・シェリーほか出演、ウルフ・リラ監督、1960、イギリス

カーペンターのリメイク版はまだ見ていない。そっちは評判があまりよくないようだが、こちらのオリジナル版は非常におもしろい。特殊技術はほとんど使っておらず、せいぜい子供の眼が光るくらいなものだが、そこは脚本がよく出来ていて(、「敵の正体や目的がわからない」「敵が子供の姿をしている」という題材をうまく料理している。

ミドウィッチ村でいきなり生物がみな仮死状態になってしまい、軍隊が調査を始めるが原因がわからない。そのうち生物は何事もなかったかのように元に戻るが、妊娠できる女性がみな妊娠していることが発覚。しかも、妊娠した時期も生まれる時期も同じ。生まれてきた子供は12人。同じような髪と眼をもち、異常に成長が早く、1人が知覚したことはほかの全員にもわかるという特殊能力を持っている。

軍隊は同じ時期に外国でも同様の現象が起こっており、いくつかの地域では子供が全員殺されたことを知る。しかしイギリスでは同じことはできない。時間がすぎていくと、子供達は他人の意思を読み取り、自分たちを害する人間は誰であれ殺してしまうことがわかってくる。村人は子供たちを隔離していた建物に火をつけようとするが失敗。ソ連では事態の拡大を防ぐために核兵器を使って村ごと子供を全滅させたことが伝えられ、もう猶予はなくなる。

村に住む学者のジョージ・サンダースは、子供たちから「自分たちの安全を図るため、外の世界に行くための援助をしろ。逆らえば命はない」と言われ、自ら子供たちを殺す決心をする。しかし心を読む能力を持っている子供たちをどうすれば殺せるのか。時間は刻々と迫る・・・。

というような話だが、子供たちが読み取れるのは、近い距離にいる人間の考えだけで、離れているとムリらしい。自分の考えを読み取られまいとするジョージ・サンダースと子供たちの対決がクライマックス。ジョージ・サンダースが思念を集中させる煉瓦の壁の映像もおもしろい。子供たちの金髪と端正な服装がうまく恐怖を煽っている。

続編があって、DVD版では本作とワンパッケージになっているようなのだが、シネフィル・イマジカの放送で見たのでそちらはやっていなかった。しかしこれを見ると、続編も非常に見たくなる。カーペンターのリメイクは微妙だけど・・・。