高校生ブルース

「高校生ブルース」、関根恵子、内田喜郎、篠田三郎ほか出演、帯盛迪彦監督、大映、1970

関根恵子のデビュー作。日本映画専門チャンネルで、高橋恵子女優生活40周年記念ということで、1970年代、関根恵子時代の作品をいろいろとかけていたので、見てみることにした。

関根恵子は16歳、高校1年生だが性のことについて何も知らないまま、同級生の内田喜郎と体育倉庫で関係をもち、それが少し続いたところでいきなり妊娠に気づく。この時点でおいおいという感じだが、まあそういうこともあるでしょう。

内田喜郎は当然堕ろさせなければと考えるのだが、こちらも何もわかってないので周りの知っていそうな同級生その他に聞いて回るという頼りない始末。そして、関根恵子のほうは、「堕ろせって言うの?わたしのからだだけが目的だったの?」とネチネチと責めてくる。まあ、関根恵子のほうは自分の体のことだから、しかたないのだが、おろおろする内田喜郎はあわれ。

しかも関根恵子は、自分が父親と母親のセックスの結果生まれてきたという事実も認めたくないらしく(自分がすることしてるのに?)、母親と亡父の友人が関係をもっていたと母親を責め立てる。母親もいいかげんかわいそう。

だが、内田喜郎が中絶費用をねん出するために牛乳配達のアルバイトを始め、関根恵子もとうとう堕胎の決心をする。問題はその方法で、ちゃんと医者にいくのではなく、いきなり内田喜郎を例の体育倉庫に連れて行き、「わたしのお腹を踏んで!」と迫るのである。そんなの体に悪いって…。

内田喜郎にめちゃくちゃにお腹を踏まれ、激痛をこらえて家に帰りついた関根恵子は死にそうになっているところに医者を呼ばれ、「流産です」と告げられる。母親は大ショック。医者は「安静にしていれば元に戻ります」とあっさり言っているが、だいじょうぶなのか?その後も、関根恵子は、「男と寝たから妊娠したのよ。産まなかっただけマシよ」とか言っているし。

後は理科の実験で盗み出した硫酸を自分の肖像画にかけてみたり、水槽に入れて金魚を殺してみたり、自分の指で硫酸に触れてやけどしてみたり、といろいろやっている。体調が戻って再び登校して、内田喜郎に会った関根恵子は、「これからわたしの愛、青春が始まるのよ」とよくわからないことを宣言しておわり。

撮影当時、中学校卒業直後、15歳だったことを考えれば関根恵子は非常に大人っぽく見える。ちゃんと裸にもなっているし。もっとも発育は大したことはないが、今なら確実に「児童ポルノ」だ(放送するのはかまわないのか?)。映画自体はそんなにおもしろくはないが、関根恵子がデビュー作から、曲がりなりにも女優になっているということがわかるだけで価値はある。