小澤征爾 ラヴェル「シェエラザード」 ブラームス「交響曲第2番」

ラヴェル   「道化師の朝の歌」

       「シェエラザード

ブラームス  「交響曲第2番」


   スーザン・グラハム(ソプラノ)、小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ


2009年のサイトウ・キネン・フェスティバルでの演奏会の録画。今年の3月の放送がハードディスクに積み上がっていたものをいまごろ見た。

この録画の見物は、NHKの髙橋美鈴アナウンサーとのかなり長いインタビューと、そのあいだに挟まれているブラームスのリハーサルの様子。「なごやかにやっているように見えるけど、皆も僕も必死なんですよ。本当は」と言っていて、実際、小澤の指示は非常に細かい。臨時編成のオーケストラを指揮して、いつも安定していい演奏ができていることの裏には非常な努力と苦心があることがうかがわれる。「反応が非常に速いオーケストラで、指揮者にとっては、いいような悪いような。指揮者次第で決まってしまう」というようなことも言っていた。

またブラームスの解釈について、「ドルチェ」の指示がこの曲の中でどう使われているか、「ピアノ」の指示とはどう違うのか、とうとうと語っている。ブラームスの2番など、小澤だったらもう何十回も振っているだろうに、それでも楽譜研究は怠れないということか。

演奏は、ラヴェルももちろんよいが、ブラームスはほんとうにすばらしい。今年のサイトウ・キネン・フェスティバルには出てこないのだが、来年はなんとか復帰してくれるといいと思う。小澤征爾の演奏をライブで聴いたことは、これまで3回くらいしかないのだ。せめて後1回か2回は聴かせてもらわないと。