太平楽会~岩倉使節団が聴いたコンサート~

太平楽会~岩倉使節団が聴いたコンサート~」

ベートーヴェン   「序曲レオノーレ第3番」

   アンドルー・リットン指揮、NHK交響楽団

J.シュトラウス   「酒、女、歌」

   テオドール・グシュルバウアー指揮、NHK交響楽団

メンデルスゾーン  「エリア」から「イスラエルを見守る方は」

   ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、NHK交響楽団東京芸術大学合唱団

ワーグナー     「タンホイザー序曲」

   ハインツ・ワルベルク指揮、NHK交響楽団


今日の「N響アワー」は企画モノで、岩倉使節団がボストンで聴いた、たぶん日本人が聴いたはじめてのクラシック音楽のコンサートのプログラム内容や、久米邦武『米欧回覧実記』や、久米邦武『久米博士九十年回顧録』中にあるコンサートの感想をネタにして、西村先生と岩槻アナがトークするというもの。

コンサートの曲目は今でもスタンダードなレパートリーになっているもの以外に、もうすたれてしまった曲も入っていてそういうものが聴きたかったのに、さすがにそれは録画がないらしい。よって、かかったのは有名曲だけ。演奏はふつうにいいので特にどうということはない。

しかし久米邦武の感想はおもしろかった。「指揮者」という存在の意味がわからないので「あれは何をやっているのか」とか、「どの曲も同じようにしか聞こえない」とか言っている。西村先生も言っていたが、はじめて聴くジャンルの音楽について鑑賞能力がないのはあたりまえで、たぶん誰でも似たような感想しかないだろう。「トロバトーレ」の中で大砲を使っていたことに驚いているくらいが感想らしい唯一のもの。

それでも、こういう経験があったから日本の初等教育にも西洋音楽を取り入れるようになったのだから、エライものだ。何かはよくわからなくても、日本の伝統邦楽ではない音楽の必要性はわかったのである。

それはいいとして、この番組、やたら坂本龍馬の話を出しているが、岩倉使節団坂本龍馬はぜんぜん関係ないでしょ。なんでもかんでも番宣にむすびつけるのが最近のNHK。そこまでするかねー。