好色元禄マル秘物語

「好色元禄マル秘物語」、ひし美ゆり子、橘麻紀ほか出演、関本郁夫監督、東映、1975

ひし美ゆり子主演の東映ポルノ。それだけである。ひし美ゆり子という女優に関心のない人には何の興味も湧かないだろうと思う。男優陣は、名和宏ほか、室田日出男志賀勝、川谷拓三、汐路章笑福亭鶴光といった人たち。それなりに顔ぶれはそろっているが、だからどうということはない。

ひし美ゆり子と橘麻紀の姉妹は、姉のひし美が坊主の妾で淫乱、妹の橘は貞淑、という設定だったが、妹は夫に裏切られたあげくに夫を殺してしまい、その後なぜか「男千人切り」の願をかける。姉のほうは坊主から商家の若旦那に乗り換えようとするのだが、若旦那に相手を乗り換えられて失敗、それならばと若旦那の父親を篭絡し、その妻におさまって二人で淫乱の限りをつくす、というような非常にどうでもいい話。

ひし美ゆり子はこの映画の後は、出演に間が空いているのでこのあたりで限界を感じていたのかもしれない。まあこの内容では無理もないという感じ。それにしても脚本も演出もくだらない。女優をきれいに見せているわけでもなく、内容がとくにそそるわけでもない。ポルノの中でもどうでもいい部類。日活ポルノも良作はわずかで、ほとんど駄作だらけだが、東映ポルノはそれ以上にくだらない。そもそも実用品として役に立つのかどうかも疑問。まあひし美ゆり子もいろいろあったんだなーという感慨以外の感想は特になし。