恐怖女子高校 不良悶絶グループ

「恐怖女子高校 不良悶絶グループ」、池玲子、叶優子、白石襄ほか出演、志村正浩監督、東映、1973

「恐怖女子高校」シリーズの3作目。いきなりこれまでの主役だった杉本美樹がいなくなった。代わって、その位置に来たのが叶優子。敵のスケバンはいつものとおり、布麻遼子。

これまで、ラスボスは学校上層部、学校上層部と警察、と来ていたが、本作ではなんとアメリカ。どんどん話が大きくなるなあ・・・。当時はベトナム戦争の余韻がまだあった時期なので、こういう話でもそれなりにリアリティ?があったのか。

聖愛女子学園のお嬢様クラスA組。池玲子はここにいる。しかしお嬢様クラスなのになぜか「紅バラ会」というスケバン組織があり、大田美鈴が番を張っている。大田美鈴が北海道に転校することになって、後継スケバンは選挙で選ぶことに。えらく民主的だ。そして、池玲子と布麻遼子の副番同士の争いになり、池玲子が当選。布麻はおもしろくない。

ところが、市会議員をしていた池玲子の父親が、スキャンダルがらみの交通事故で死んでしまい、いきなり一家はどん底に。寄付金が払えなくなったので、池玲子は「スクラップ」とバカにされているD組に移されてしまう。なんか小公女みたいな話。A組からスクラップ組に変えられたので、当然紅バラ会の番長も解任。しかし池玲子は小公女のようにまともに働くわけがなく、スクラップクラスで番長を張って、A組の紅バラ会に対抗して「恐竜会」を名乗ることになる。で、A組に番を張る仁義を切りに行くのだが(このシリーズには、必ずスケバン同士が仁義を切り合う場面がある。一応セーラー服の女子が時代劇のやくざみたいな仁義の切り合いをしているところはかなり見物)、紅バラ会はスクラップ組の「恐竜会」などはなからバカにしている。

学園の支配者は、PTA会長の名和宏アメリカ人のマイク・ダニーン(この人は、この頃の日本映画での外人役としてたまに見かけた)と組んで悪事の限りをつくしている。布麻遼子は名和の娘で、父親に池玲子を退学にするよう頼むのだが、受け付けてもらえない。そこでダニーンに話をもっていく。ダニーンの手下のアメリカ人が叶優子を強姦。叶が包丁で反撃しようとするといきなり射殺。布麻遼子はジープを乗り回して、池玲子を追い回したりしているし、なんだかよくわからない。

名和宏の秘書だった白石襄が現れて、自暴自棄になっている池玲子を一喝。じつは、事故死と思われていた池玲子の父は、名和宏の悪事を暴こうとしてはめられていたのだ。

北海道に転校したはずの太田美鈴が演歌歌手になっていきなり戻ってきたり、なんだかよくわからない展開の後、恐竜会と紅バラ会の決闘。角材を持っての殴り合いである。当然紅バラ会の負け。スケバンの布麻遼子は「これで済んだわけじゃないよ」と連れて行かれる。

名和宏は太田美鈴に誘われて鼻の下を伸ばして、ホテルにしけこんだところ、仮面をつけていた太田美鈴はいつのまにか、娘の布麻遼子と入れ替わっており、娘を犯そうとしたところで気がついてびっくり。そんなの仮面をつけていたって、髪型とか顔つきでわかるだろう。ベッドには「性裁」の文字が赤で殴り書き(笑)。そこに警察と新聞記者がなだれこんできて、名和は破滅。

一方、白石襄は名和とダニーンの麻薬密輸の証拠をつかもうとしていたが、見つかってしまってダニーンの拳銃で蜂の巣に。実はデキてしまっていた池玲子の必死の祈りも空しく、白石襄は病院で死亡。池玲子は、白石の部屋で短機関銃を見つけ、怒りに燃えて麻薬倉庫に向かう。そこにいたダニーンとその手下を短機関銃で皆殺しにする池玲子

雨の中、涙を流しながら制服姿で短機関銃を撃ちまくる池玲子は、まさしく「セーラー服と機関銃」のさきがけである。なんだかねぇ。