恐怖女子高校 女暴力教室

「恐怖女子高校 女暴力教室」、杉本美樹池玲子、成瀬正孝ほか出演、鈴木則文監督、東映、1972

一言で言えば「怪作」。半分ポルノで、半分アクションなのだが、この「煮込み具合」が、むちゃくちゃで、見ていて飽きない。

関西地方の私立女子校「聖光女子学園」(当然「性交」のもじりで、ラストシーンでもそのように大書されている)。良妻賢母の育成といった建前とは裏腹に、生徒はズベ公だらけ。スケバンの杉本美樹と、理事長の妾の娘、衣麻遼子が抗争を続けている。そこに新任教師の成瀬正孝がやってきて、ズベ公たちを更生させる、のかと思ったらぜんぜん違った。

転校生の池玲子がやってきて、最初のうちは、杉本美樹にイジメ倒されているが、実は理事長(金子信雄)とその息子(名和宏)に昔、一家心中に追い込まれた一家の生き残りで、二人に復讐することが目的で、そのためにはじめはおとなしくしている。その後、売春だの名和宏が生徒を妊娠させて堕胎させようとするだの、言うことを聞かない生徒をリンチにかけて自殺に追い込むだのといった展開があって、最後は池玲子杉本美樹が手を組んで、金子信雄名和宏金子信雄の妾を校門に裸で縛り付け、看板に「退学届」を大書して、堂々と去っていく、という話。

話の内容は、見ているうちにだんだんどうでもよくなってきて、それより、池玲子杉本美樹の仁義の切り合い、杉本のスケバングループと衣麻遼子のグループがナイフで抗争しているところに、ライフルを抱えて殴り込む池玲子、ズベ公同士のキャットファイト、腐った教師たちを演じる、大泉滉由利徹岡八郎ほかの脇役達、最後に校門で裸で仁王立ちになっている杉本美樹とか、そういうおもしろシーンに目が釘付けになる。

池玲子はどうみても高校生にはみえないだろう、と思ったが、この映画の公開時で18歳くらい(正確な年齢は不詳)なので、高校生でぜんぜんおかしくないのである。まあ見た目エロすぎの高校生がいたらいたで驚くが。

この「恐怖女子高校」はシリーズで4作作られているらしく、去年DVDで4本とも出たらしい。それで東映チャンネルにもまわってきているのである。この展開で4本も作っているのかと思うと頭が痛くなるが、一見の価値は必ずある。