東京タンバリン 「雨のにおい」

東京タンバリン 「雨のにおい」、作、演出:高井浩子、出演:瓜生一成、森啓一郎、青山隆之、ミギタ明日香、大田景子、坂田恭子、青海衣央里ほか、アステールプラザ多目的スタジオ、2009.11.8

この劇団の公演は初めて見た。まあ田舎では小劇場の公演はめったにかからないので、最近は小劇場からすっかり足が遠のいていたのだ。東京では駅前劇場で公演していたらしい。

このスペースは建物の中でも狭いところで、120人くらいしか入らない。「スタジオ」なので、舞台を下から見上げる形式ではなく、階段状の客席が二つに分けられて、芝居のスペースは真ん中にある。置かれているのは、三日月のような形の小さなテーブルが四つ、上に金属の網が張ってあって、傘とか衣服とか、いろんなものがぶらさがっている。自分は開演15分前くらいに着いたが、一番前に座れた。席は開演時にはだいたい全部埋まっていた。

芝居は、鉄道の「遺失物管理センター」と「建築会社」でのストーリーが別々に進み、途中で二つのストーリーがところどころで交差する、というような感じ。はっきりいって、自分の頭の中で、遺失物なんとかの話と建築会社の話がぜんぜんつながらず、???という感じ。ストーリーについては、ブログに細かく紹介されているものを見つけた(今回の公演ではなく、2005年の初演時のものだが、ほとんど改変されていない)。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/2060/preview05/ame.htm

ストーリーはともかく、役者のしていることは面白かった。変な中国語のマネみたいな言葉をしゃべるミギタ、やたら色っぽい青海、神経質かつセクハラ大魔王、結局自殺する青山などなど。時間が1時間40分と短めなのもよい。基本的に映画でも舞台でもあまり長いものは拷問みたいで苦手です。

この日曜日の公演のみ、終演後に映画監督の本広克行と、座付き作家で演出の高井浩子のトークライブがあった。本広克行はもうすぐ「曲がれスプーン」が公開なのだが、「きっとコケますから」と下がりモード。「踊る大捜査線をもう一回作れ」って、うるさく言われているそうで、弱った表情。高井は思ったよりずっと普通の人だった。この二人は今までにも、共同で芝居を作っているそうで、会場でDVDを売っていた。このトークが非常におもしろく、客も少ないので質問しほうだい。満足度の高い公演だった。

あとひとつ、チラシやチケットのデザインは統一されているのだが、このデザインが非常に趣味のよいもので、芝居の内容にもよく合っていた。来年も広島に来てくれるそうなので、きっと行こうと思う。