柳生一族の陰謀

柳生一族の陰謀」、萬屋錦之介千葉真一ほか出演、深作欣二監督、東映、1978

これはけっこうひさしぶりに見た。しかし何回見てもおもしろい。ヨロキンのやたら大仰な芝居、千葉真一の暴走、成田三樹夫の怪演、どれをとっても外しているところが見あたらない。デビュー当時の真田広之のバカっぽい元気さもちゃんと味わえる。あとは音楽。津島利章の音楽は、後でサントラのLPを買いに行ったことを思い出す。

配役表を見ると、角川春樹水野晴郎佐藤純弥が出演していることになっている。角川、佐藤の役は調べてわかったのだが、水野晴郎がどこに出ていたのかどうしてもわからない。うーん。

そして最後に首を抱えて狂乱のヨロキンと、「こんなのありか?」というナレーションで締める幕切れまで、ムダな場面は一カ所もなし。傑作の名を全うする映画である。そういえば、サントラLPには最後の場面がちゃんと収録されていた(ナレーションのところはなかったかもしれない)。

「上様、三代将軍様・・・。ばかな、こんなばかなことが。ばかな、こんなばかなことが。これは夢だ。夢を見ているのだ。」
「おのおのがた、お騒ぎあるな、お騒ぎあるな、お騒ぎあるな。何事もない。何事も起こってはおらぬ。これは夢でござる。さよう。ただの夢でござる。かかる悪夢に惑わされてはならぬ。今日、この日、この只今、徳川の天下は、大盤石の重きについた。かようなことのあり得ようはずはござらぬ、夢だ、夢だ、夢だ、夢だ、夢だ、夢でござーる・・・」

自分としては78年の関テレ制作のテレビドラマも見たいのだが、時代劇専門チャンネルあたりでやってくれないのだろうか。「柳生あばれ旅」の方はちゃんと放送してくれていたのに。東映が手放さないのだろうか・・・。あれもけっこう面白く、大好きだったのだが。