R.シュトラウス サロメ

R.シュトラウス 「サロメ
ナディア・ミヒャエル(サロメ)、ピーター・ブロンダー(ヘロデ)ほか出演、リュック・ボンディ(演出)、ダニエル・ハーディング指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団
ミラノ・スカラ座、2007.3

これは名演。サロメのナディア・ミヒャエルは、きつい顔立ちだが、妖婦そのまんま。からだも非常にきれい。「七つのヴェールの踊り」のところは大きな布を上手く使って、エロい感じをふつふつと噴出させている。衣装は当然スケスケ。最後に銀のお盆にのって出てくるヨカナーンの首に狂乱するところもイケイケな感じで最高である。歌も踊りもできて容姿も美しい。まさにサロメ向きの歌手。
ほかの役も非常によい。特にヘロデ王のピーター・ブロンダー。短く切った髪を赤く染め、いろんな色が光るおかしな衣装、軽い感じのよく通る声、ぴょんぴょん飛び回る演技。パンクな王様であるが、これがイカレた王様のキャラによく似合っている。名演である。
一方、ヨカナーンのファルク・シュトゥルックマンは、なんだか麻原彰晃みたいな感じ。まあ実物のヨハネも、享楽的ではなかったにせよ麻原みたいなキチガイだったかもしれないし、いなごと野蜜でこんなに太るわけないだろ、とは思うが、デブったヨカナーンはこれはこれでアリである。歌はとてもうまい。

ハーディングの指揮はキレがあるはっきりした演奏。廃墟のような舞台も印象的。これはクラシカ・ジャパンの今月の放送でやっていたのだが、実物を見たいなあ。ナディア・ミヒャエル、日本に来てくれるといいなあ。