色即ぜねれいしょん

色即ぜねれいしょん」、渡辺大知、峯田和伸ほか出演、田口トモロヲ監督、『色即ぜねれいしょん』フィルムパートナーズ、2009

みうらじゅん原作の前作、「アイデン&ティティ」と同じ監督、峯田和伸が出ているところも同じ。原作にもほぼ忠実なつくり。今回は、高校時代の話だが、実際に東山高校でロケをやっていて、学校の中や周囲の風景が映っている。ほかは、嵐山線とか、京都市内の風景が頻出している(隠岐島という設定の島も京都府内で撮影しているらしい)。

主役の男の子をやっている「イヌ」こと渡辺大知が非常に雰囲気が出ていてよい役者。バンドをやっているらしいが、高校1年生という設定でもぜんぜん違和感なし。それに原作にある悶々とした日々を過ごしているヘタレな高校生に、きれいにあてはまっている。峯田和伸は、ユースホステルにいる「ヒゲゴジラ」の役だが、これもちょうどよくはまっている。臼田あさ美のオリーブ役もアタリ。1970年代の青春ものを「神田川」的な方向からではなく、よくつくっている。

最後は渡辺大知が文化祭で、ロックをシャウト。ここがフォーク弾き語りとかでないところがよし。前向きでちょっと外しているがウザくはない。そういう映画。