いつも二人で

「いつも二人で」、オードリー・ヘップバーンアルバート・フィニーほか、スタンリー・ドーネン監督、イギリス、1967

この前NHKBSハイビジョンでやっていたものの録画をようやく見た。これが1967年製作なので、「暗くなるまで待って」と合わせて、オードリーの映画歴に長いブランクが空く前の直前の2本ということになる。

話は、オードリー・ヘップバーンアルバート・フィニーの倦怠期の夫婦が新婚旅行で思い出のあるフランスを自動車旅行するうちに、新婚当時の思い出とすっかり冷めてしまった今が交錯するというもの。昔の回想と今の場面が、車が行き違う度に反転する構成。この夫婦は結婚12年目という設定なので、オードリーもそれなりに老けているが、新婚当時の場面ではちゃんと若くなっている。製作時の年齢が37歳だから、ちょうど年齢相応なのだが昔の場面も違和感なし。やはり「お化け」の女優である。「暗くなるまで待って」の時も既婚ではあるが年齢不詳の役だった。

愛情の冷めてしまったところと、昔の描き分けが絶妙。大女優は年を取ってもいい役をもらえていい演技ができるのである。最後のオチも、ちゃんと落ち着くべきところに落ち着いていて、うわついたハッピーエンドとはちょっと違う。

この後「ロビンとマリアン」まで9年空いているのだ。もったいない話だが、それもしかたないか。以前NHKBSで「世界の庭園」をやっていたはずだが、もう放送しないのだろうか。老けてからの姿も見たいのに。