ラロ 「スペイン交響曲」

ラロ「スペイン交響曲
ラヴェルボレロ
ヴァディム・レーピン(ヴァイオリン)、準メルクル指揮、NHK交響楽団、「N響アワー」2009.7.5

N響6月B定期からの抜粋。この演奏会は、NHK-FMで生中継されていたのでさわりだけは聴いたのだが、仕事の都合で全部は聴けなかった。この演奏会のプログラムは、これとファリャ「三角帽子」2部とドビュッシー「映像」第3集からイベリア、だったので「スペインの香りのする音楽集」である。

レーピンはもともとこの演奏会の予定にはなかったそうで、代役だったらしい。演奏会に行った人は得してほくほくしていただろう。ずっと顔を見ていなかったので、えらく老けているのにびっくりした。髪は半ば白髪、50代といわれても信じるところ。コロコロふとっているし。もちろんまだ40歳にもなっていない。見た目はともかくとして、演奏はとてもよかった。テクニックもあざやか。こっちの音響システム(めずらしく5.1chのシステムで聴いたのだ)のせいか、ヴァイオリンの音がよく鳴っていなかったように聞こえたのがざんねん。演奏自体は二重丸の出来。

ボレロ」のほうは、ちょっとアンサンブルが乱れていたところがあったので、いまいちのような気がしたのだが、客席はとても盛り上がっていたから、ライブで聴いた人は違った印象を受けたのかもしれない。

カプリッチョ」のコーナーは、ラヴェルがローマ賞をとれず、後でレジオン・ドヌール勲章をあげると言われたがそっちは辞退されてしまったという話。まあ賞なんてそんなものでしょ。西村せんせは、「辞退者は得ずして、賞に名を刻む」と言っていたが、どうかなあ。辞退者が有名でなければただのスタンドプレーだし。有名でも大江健三郎文化勲章みたいなただのスタンドプレーもあるし。微妙なところではある。