リゲティ ヴァイオリン協奏曲

リゲティ「ヴァイオリン協奏曲」、プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」より第3楽章
庄司紗矢香(ヴァイオリン)、ジョナサン・ノット指揮、NHK交響楽団、「N響アワー」2009.6.29

昨日のN響アワーは庄司紗矢香特集。いつものカプリッチョのコーナーも休みにして、代わりに西村朗庄司紗矢香の対談を流していた。

そしてプログラムがリゲティ(・・・)とプロコフィエフである。リゲティだが、とにかくわたしの守備範囲からまるっきりはみ出している曲だということだけはわかった。無調なのはまあ当然として、音が微妙にずれている。で、演奏の前に曲の解説があって、音を微妙にずらしているのはそのように楽譜に書かれているからだと言っているのだが、聴いている自分には、間違えてズレてしまっているのか、わざとずらしているのかすらわからない。とにかくよくわからないままに曲が流れて終わりである。あれを全部計算して演奏しているのなら、非常に緻密にしなければいけないということはわかる。しかし、なんでずらしているのかがそもそもわからないので、「コレハナンデスカ・・・」ということしか思いつかないのである。

これに比べると、プロコフィエフの協奏曲はまるっきり普通に振った曲に聞こえるからふしぎ。

西村朗は、「初めて食べる料理がいままでと同じ味ではつまらない」と言っていた。デュマ・ペールの「モンテクリスト伯」にも似たようなことがあったと思うが、ハッシッシはその後わかりやすく幻を見られるからともかく、リゲティのほうはこれを10回聴いたとしても自分のとまどいが減るとは思えない。うーん。

対談での庄司紗矢香は、非常に寡黙で内省的な人という感じ。言葉を選んで訥々と話している。音楽だけでなく、絵も描いているそうで画面に作品が映っていた。しかし、これもわたしの守備範囲からは外れている。本人としてはつながっているのだろうが・・・。まあわからないものはわからない。しかたがない。