暗くなるまで待って

「暗くなるまで待って」、オードリー・ヘップバーンアラン・アーキン、リチャード・クレンナほか出演、テレンス・ヤング監督、アメリカ、1967

オードリー・ヘップバーンのサスペンスもの。オードリーが盲目という設定が効いている。話のほとんどがオードリーの部屋で展開するので、舞台向きの話だなーと思ったら、実際に舞台劇を映画に直したものらしい。客には見えているものが主人公に見えていないわけで、オードリーがどうやって真相をつかむか、真相をつかんだ後でどうなるかが見物の話。脚本は非常によくできていて、緊張感を切らさないで最後まで話を引っ張っている。

真相がわかった後で、オードリー・ヘップバーンが時間稼ぎに悪者どもを外に出すのだが、彼らが戻ってきてからが、いよいよクライマックス。リチャード・クレンナはやられ、アラン・アーキンとの一騎打ち。ドアはチェーンで閉じられ、部屋にガソリンがまかれて絶体絶命になるのだが、ここからのオードリーの巻き返しがすごい。最後に警官がかけつけてくるまでは部屋が真っ暗にされ、まあ結末はわかってはいるのだが、ここもちょっとだけどきどきする。

オードリー・ヘップバーンは、この時38歳か。「ロビンとマリアン」までしばらくキャリアに間があいてしまうが、その前の最後の作品。この後も継続的に出続けていればもっと傑作がたくさん残っただろうに。もったいない。アラン・アーキンは悪党振りがひかっている。後、アパートの上の階に住んでいるめがねの女の子(ジュリー・ヘロッド)が非常によい芝居をしている。